誹謗中傷で公開危ぶまれた和歌山毒物カレー事件の映画『マミー』一部加工し上映へ
8月3日より公開が予定されている、和歌山毒物カレー事件を多角的に検証した映画『マミー』。同作の公式エックスが11日に更新され、一部に加工を施して予定通り上映することを発表した。 【動画】「母は、無実だと思う」映画『マミー』特報予告編 1998年7月、夏祭りで提供されたカレーに猛毒のヒ素が混入し、67人がヒ素中毒を発症し、小学生を含む4人が死亡した和歌山毒物カレー事件。犯人と目されたのは近くに住む林眞須美。彼女は容疑を否認したが、2009年に最高裁で死刑が確定。今も獄中から無実を訴え続けている。 本作の中では、林眞須美死刑囚の夫・健治氏が自ら働いた保険金詐欺の実態を赤裸々に語り、確定死刑囚の息子として生きてきた長男の浩次さん(仮名)が、なぜ母の無実を信じるに至ったのかを打ち明ける。さらに映画は、真相に近づこうと焦る監督自身が事件に飲み込まれていく姿をも映し出す。 映画の公式エックスは11日、「このたび、本映画に登場する林眞須美さんのご親族から、本映画の公開に関連する誹謗中傷や嫌がらせを予想以上に受けており、日常生活が脅かされる不安が日に日に増しているとのご相談がありました」と明かした上で、「製作者、配給会社、ご親族の三者で協議した結果、善後策として本編の映像の一部に加工を施したものを上映することにいたしました」と発表。さらに、同作に対する「誹謗中傷や嫌がらせに対しては、法的措置を含め、厳正に対処します」としている。 本作については、浩次さんがエックスにおいて、映画の情報が公開されて以降、誹謗中傷が悪化していると報告し、自身の登壇イベントや講演の中止を発表。さらに「映画『マミー』の公開中止の申入れをさせていただきます。損害賠償等があれば借金をしてでもお支払い致します。すみませんでした」とつづるなどし、エックス上で波紋を広げていた。