村上春樹 サイモン&ガーファンクルの解散を振り返る「まさに絶頂期にあるチームが突然ぽっかり消滅してしまった。みんなびっくりしました」
<クロージング曲> Percy Faith「The 59th Street Bridge Song (Feelin' Groovy)」
ポール・サイモン・ソングブック、お楽しみいただけましたでしょうか? ポールは1980年以降も歌手として、ソングライターとして第一線で活躍しますが、時間の制約もあり、この番組では70年代までの彼の仕事を中心にまとめてみました。 今日のクロージングの音楽は、パーシー・フェイス楽団の演奏する「59番街橋の歌」です。スコット・フィッツジェラルドの「グレート・ギャツビー」の中でも、このクイーンズボロ・ブリッジはとても印象的に描かれていますね。僕もニューヨーク・シティ・マラソンで何度かこの橋を走って渡りました。アーチ状でずいぶん高低差があるので、走るのはけっこう大変です。 さて、今日の言葉はウィリアム・シェイクスピアの「ハムレット」に出てくる言葉です。 Brevity is the soul of wit. ウィット(機知)の要は簡潔さにある。気の利いた一言というのは短ければ短いほどいいんだ、ということです。寸鉄人を刺す。しかし言いたいものごとを簡潔にまとめるのはむずかしいですね。至難の業です。だからスピーチはたいてい、だらだらと長くなります。どうすればうまく短くまとめられるでしょう? 来年は巳年なので、新年に向けて、僕からヘビさんに贈るスピーチを試しに書いてみました。 <えー、2025年は巳年、ヘビさんの年です。龍さんからのバトンタッチですが、竜頭蛇尾みたいなことにならず、より平和でより豊かな1年が世界にもたらされることを願っています。昨今の情勢を鑑みるに、これはかなりヘビーなお仕事になるとは思いますが、どうか頑張ってください> うーん、あまり良い見本にはならないみたいですね。ただのしょうもない駄洒落です。でもとにかく短いことは短い。 それではまた来月。よいお年を。 (TOKYO FM「村上RADIO~ポール・サイモン・ソングブック~」2024年12月29日(日)放送より)