機体にウエザリングとチッピングを入れて震電『ゴジラ-1.0』ver.完成!【達人のプラモ術<震電>】
前回、暗緑色と明灰白色での機体塗装を済ませた震電。劇中では終戦後のドサクサに紛れて秘匿されていた機体ということで登場するのですが、倉庫の中に隠されていた機体は、試験飛行で使い込まれた?機体らしく、アクセスパネルやキャノピー周り等の塗装が剥げた状態になっています。そこで今回は機体のウエザリングと同時に、塗装が剥げた状態を再現したチッピング(※1)を施して完成を目指します! 【製作工程を画像で見る】 ※1…チッピング チッピングという言葉には「欠ける」という意味があり、飛行機モデルでは、塗料のハゲや欠けを塗装で再現するウェザリングテクニックのひとつ。塗料の質のせいか日本機ではよく見られる言うところのハゲチョロ塗装。 【教えてくれた人】 長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube「モデルアート公式チャンネル」などでもレビューを配信中。
■まずはデカールから
塗装を終えた機体にデカールを貼っていきます。前回製作したF-35Bなどの現用機のように機体各部にびっしりと描かれたコーションマーク(注意書き)はほとんどなく、マーキングはかなりあっさりとしたものです。 日の丸をメインに計器盤、主翼上面の「フムナ」「オスナ」の警戒線、垂直尾翼後端の「オスナ」といった警戒線、胴体空気取り入れ口黄線(右側のみ)。また通常版では塗装再現だったプロペラの警戒線と主翼前縁の味方識別帯(作例は識別帯を塗装で再現)も『ゴジラ-1.0』劇中仕様版ではデカールで再現されています。
■マークセッターで凸モールドにデカールを馴染ませる
さて、今回製作した震電は凸モールドなので、デカールをしっかりと密着させないといけません。なのでマークセッター(デカールの軟化、接着剤)を使い、凸モールド部分にもしっかりとデカールが密着させます。 主翼上面の「フムナ」「オスナ」はフィルム部分の面積が大きいのでシルバリング(※2)に要注意です。 シルバリングが発生してしまったら、デカールが乾燥したのちにデザインナイフなどで突いて微細な穴を開けます。その後、再度Mr.マークセッターを塗布することで、マークセッターが浸透してデカールが再度軟化し密着。白化を抑えられます。 (※2)シルバリング パーツ表面と貼ったデカール裏面の間に微細な空気が入り込むことでデカールのフィルム部分が白く光って見えてしまう現象