機体にウエザリングとチッピングを入れて震電『ゴジラ-1.0』ver.完成!【達人のプラモ術<震電>】
■リアルタッチマーカーを使って凸モールドへのスミ入れ
スミ入れと言うと凹モールドに塗料を落とし込むことだと思われがちですが、凸モールドでも実は可能です、今回使用したのは、通常のスミ入れでもよく使用するMr.リアルタッチマーカーです。 パネルラインに沿ってリアルタッチマーカーで線を描き、綿棒で擦ることで凸モールドの縁部分にマーカーが残るので、凹モールドと同じようにスミ入れできます。今回は機体全体を「リアルタッチグレー2」で、エンジンまわりのみオイルにじみ感を出すために「リアルタッチブラウン1」を使っています。
■チッピングを発売されたばかりのミスターホビーマーカーメタリックで再現!
日本機に関しては、使い込まれた機体の再現塗装として、整備点検の際に開けられることが多いアクセスパネルやパイロットが踏む主翼上面付け根などで、塗装がハゲて金属面が露出した質感の表現、言うところのチッピング塗装がよく見られます。 震電は試作機なので機体はキレイだろうと思うのですが、劇中機はアップになるとコクピット横などにいかにもな感じで塗装が剥げた表現がされています。 そこで作例でも、この塗装が削れて落ちた質感を塗装で再現していきます。 今回このチッピング塗装で使用したのは、昨年末にGSIクレオス(Mr.ホビー)から発売された「ミスターホビー マーカーメタリック」です。スミ入れで使用している「リアルタッチマーカー」のメタリック版です。 チッピング塗装といえば、エッジ部分、パネルの縁といった箇所に面相筆などで描き入れていくことが多いのですが、いかにも剥げた感じの質感再現は筆塗りだとコツが必要です。しかしマーカーであればチョン塗りが簡単にできるので、言うところのハゲチョロな質感が手軽に再現できます。今回は「ミスターホビーマーカー」のシルバーを使用して機体各部にチッピングを入れています。
■キャノピーと脚を取り付けて震電『ゴジラ-1.0』劇中機の完成!
チッピングやスミ入れが終わったら機体全体をクリアーで軽くオーバーコート。今回は劇中機に会わせてセミグロスクリアーを使いやや光沢のある仕上がりとしました。 乾燥後にキャノピーと脚、アンテナ類を取り付けて震電の完成です。機体下面のアンテナ間に貼られた空中線は伸ばしランナーで再現しています。またキットはキャノピーを開けた状態にはできないので、中央の可動部を接着せず取り外してコクピット内が見られるようにあります。 いや~、発売から40年以上たつ古参キットですが、プロポーションは秀逸で、凸モールドも気になりません。何よりパーツも少なく手軽に製作を楽しめるキットだと思います。 実戦には間に合わなかった幻の迎撃戦闘機ですが、今回『ゴジラ-1.0』への登場で久しぶりに注目されました。人気再燃中の震電、ぜひチャレンジしてみてください。 さて次回はどんなキットを作りましょうか? お楽しみに!
<製作・写真・文/長谷川迷人>