「オレが責任を取る」という上司は信用するな!【里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール!】第7回
■「言いにくいことをきちんと指摘できる」ことも重要 ――では、あらためて「いい上司とは?」と尋ねられたら、どのように答えますか? 里崎 自分から「オレは上司なんだ」と偉そうな態度を見せるのは論外として、やっぱり、周りの人から自然発生的に「この人がリーダーなんだな」って認められる人なんでしょうね。で、最初に言ったように、「きちんと結果で証明することができる人」。これがいい上司としての必要最低条件じゃないですか。 五十嵐 僕自身、スワローズで古田さんとか宮本(慎也)さんとか、いいリーダーの下でプレーしてきたけど、古田さん、宮本さんに共通して言えるのは「言うべきことはきちんと言う」という態度でした。やっぱり、人の欠点や間違いを指摘するのって難しいし、できればやりたくないじゃないですか。でも、ふたりはそういう点もきちんと指摘していました。今、サトさんが言ったように、誰もがふたりのことを「この人がリーダーだ」って認めていましたからね。 里崎 そして、さっきも言ったように「きちんと部下のことを見守っている人」というのが大事になってくるよね。僕自身、ロッテ時代にキャプテンをやったことがあるけど、僕の場合は当時の主力選手が集められて、ボビーに「サトにキャプテンをやらせたいと思うんだけど、どう思う?」と言われて。それでみんなの賛成の下でキャプテンになったから、すごくやりやすかったけどね。 五十嵐 出た、また自分の話(笑)。僕自身は、チームに「キャプテン」という存在は特に必要ないと思っています。「キャプテン」という立場の人にどうしても頼りがちになってしまうし、むしろいないほうが、それぞれの意識が高くなるんじゃないかって思っています。 里崎 それぞれがきちんとプロ意識を持っている組織なら、それでもいいとは思いますね。僕も、普段はみんなのスタイルを尊重していたけど、「ここは勝負どころやな」っていうときには自分から円陣を組んで、ナインに指示を出すようにしていました。その回に自分の打席が回ってくる場面ばかりだったけど、シーズンで5試合やって、すべてそのイニングで得点を挙げましたから。 五十嵐 また出た、自分の話(笑)。でも、自分の打席が回ってくるときっていうのはすごいですよね。こうやって、ちょいちょい自慢話が入ってくるのも「里崎節」だよね(笑)。 ――話は尽きませんが、ちょうど時間となりました。次回はこの流れを受けて、「ダメ上司からの指示に対して、どう対処すべきか?」ということを伺いたいと思います。 里崎・五十嵐 上司と部下は永遠のテーマだから、まだまだ語れますよ。ではまた次回、よろしくお願いします! 構成/長谷川晶一 撮影/熊谷 貫