平均賃上げ率「33年ぶりの高水準」だが…2025年も「賃上げ継続」が期待されるワケ【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
企業の労働生産性は回復傾向、労働分配率を踏まえると、2025年も賃上げ継続が期待される
そこで、法人企業統計より、全産業(金融業、保険業を除く)、全規模の企業データを取得し、労働生産性の推移を確認したところ、2020年に新型コロナウイルスの感染が拡大した影響で、一時大きく低下したものの、最近では持ち直し傾向にあります(図表1)。そのため、昨年来の賃金引き上げの動きは、労働生産性の上昇を伴ったものであり、2025年も賃上げ継続への期待が高まります。 なお、労働分配率をみると、長期的には緩やかな低下傾向が続いていることが分かります(図表2)。そのため、労働生産性の回復傾向が続く限り、企業にはある程度、労働分配率を踏まえて賃金を引き上げる余地が生じると思われます。現在、2024年の平均賃上げ率は5%を超える見通しとなっていますが、企業の労働生産性と労働分配率の推移を踏まえると、2025年の平均賃上げ率が同程度の水準になっても、それほど違和感はないと考えます。 (2024年4月19日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『平均賃上げ率「33年ぶりの高水準」だが…2025年も「賃上げ継続」が期待されるワケ【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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