いすみ鉄道、11月以降も運休継続 4日に脱線事故 安全性に課題、復旧長期化か
いすみ市で起きたいすみ鉄道の脱線事故で、同社は28日、当初目標にしていた今月末の運行再開の見込みが立っておらず、全線運休を継続すると発表した。安全性が確保されていないことが理由で、復旧には長期間かかる見通し。まずは利用客が多い大原―大多喜間を優先し、再開を目指すとしている。 同社によると、原因究明や安全点検のため独自に依頼した第三者の専門機関から、線路と線路の間を指す「軌間」が広がっている箇所を指摘され、調査で「安全に走ることができない」と確認された。枕木が劣化しているのも改善が必要で、同社は「来月早々に専門機関と工事業者と、復旧工事計画を立ててからでないと、時期は示すことができない」との見解を示した。 脱線車両(2両編成)は現在も現場付近に残されたまま。当初は9日にクレーン車で移動し、10日に脱線箇所のレールの復旧工事後、車両基地のある大多喜駅に運ぶ予定だったが、この時点でレール間の広がりが判明。車両基地への移動を断念し、留め置かれた。 全線運休の継続について同社は「心配を不便をおかけし、おわびする」とコメントした。 事故は4日朝発生。1両目後部の車輪と2両目全体の車輪が線路から進行方向の左側に外れた。通学時間帯で県立大多喜高校の生徒ら104人が乗っていたが、運転士1人を含め、けが人はなかった。