【65歳以上のリタイヤ夫婦世帯】1ヵ月の家計収支は平均で約4万円の赤字…11月の食品値上げ品目は11カ月ぶりに前年を上回る勢いへ
勤労世帯も含む2人以上世帯(65歳以上)平均貯蓄額・中央値
総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」をもとに、勤労世帯も含む2人以上世帯(65歳以上)の「平均貯蓄額」と「中央値」を見ていきましょう。 ●65歳以上の二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値) ・平均:2462万円 ・貯蓄保有世帯の中央値:1604万円 勤労世帯も含む2人以上世帯(65歳以上)の「平均貯蓄額は2462万円」でした。ただし、平均貯蓄額には、貯蓄を多く保有している富裕層世帯も含まれています。 より実態に近いとされる中央値は1604万円です。平均貯蓄額と中央値の差は858万円となっています。 また、貯蓄が300万円未満の世帯は15.2%いる一方で、貯蓄が2500万円以上ある世帯は34.1%となっており、世帯ごとに貯蓄額に大きな差が生じていることがわかります。 老後、年金と貯蓄のみで生活するのは難しいと考え、できるだけ長く働き続けようと考えている方もいるでしょう。 ただし、働いた分だけ収入が増加するわけではなく、65歳以上の方が一定の収入を得ると年金が減額される「在職老齢年金制度」というしくみがあります。 そのため、働いた分だけ収入が増加すると安易に考えるのには少し注意が必要です。 また、年齢を重ねるにつれ、家族の介護や自分の健康状態などによっては、より長く働き続けることが難しくなることもあるでしょう。老後の生活がどのようになるかは、貯蓄や収入、就労状況などにより異なります。 では、老後の収入源の1つとして公的年金(国民年金・厚生年金)がありますが、どのくらい受給できるのでしょうか。次章で確認していきます。
公的年金(国民年金・厚生年金)の年金額例をチェック
厚生労働省の「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」をもとに、公的年金(国民年金・厚生年金)の年金額例を見ていきます。 夫婦の一方が40年間、平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円で就業し、老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)受け取り始めるという条件で試算されています。 厚生労働省より公表された年金額例では、上記に該当する夫婦の場合、厚生年金(2人分の国民年金含む)の受給月額は23万483円です。 なお、年金額は毎年度改定されます。2024年度の年金額は2.7%の増額となったため、国民年金は1人分につき月額1750円、厚生年金(2人分の国民年金を含む)は6001円増加しました。 現在では共働き世代が増加傾向にあることを踏まえ、厚生労働省が「これまでの年金部会も踏まえてご議論いただきたい論点」でさまざまなモデル年金額を提示しています。 報酬や働き方別で年金例を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 ●単身世帯の年金例 ・報酬54万9000円:18万6104円 ・報酬43万9000円:16万2483円 ・報酬32万9000円:13万8862円 ・報酬37万4000円:14万8617円 ・報酬30万000円:13万2494円 ・報酬22万5000円:11万6370円 ・報酬14万2000円:9万8484円 ●夫婦世帯の年金例 ・夫が報酬54万9000円+妻が報酬37万4000円:33万4721円 ・夫が報酬43万9000円+妻が報酬30万000円:29万4977円 ・夫が報酬32万9000円+妻が報酬22万5000円:25万5232円 ・夫が報酬54万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:28万4588円 ・夫が報酬43万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:26万967円 ・夫が報酬32万9000円+妻が短時間労働者の平均的な収入:23万7346円 ・妻が報酬37万4000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:24万7101円 ・妻が報酬30万000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:23万978円 ・妻が報酬22万5000円+夫が短時間労働者の平均的な収入:21万4854円 ・夫婦ともに短時間労働者だった場合の平均的な収入:19万6968円 ・夫が報酬54万9000円+妻が国民年金のみ加入:25万4104円 ・夫が報酬43万9000円+妻が国民年金のみ加入:23万483円 ・夫が報酬32万9000円+妻が国民年金のみ加入:20万6862円 ・妻が報酬37万4000円+夫が国民年金のみ加入:21万6617円 ・妻が報酬30万000円+夫が国民年金のみ加入:20万494円 ・妻が報酬22万5000円+夫が国民年金のみ加入:18万4370円 公的年金(国民年金・厚生年金)をいくら受給できるかは、現役時代の働き方や収入、年金の加入期間などに応じて異なります。 年金の受給額には個人差があるため、具体的な年金額(見込み額)を知りたい場合は、日本年金機構より毎年誕生月に送付される(※)「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できます。 老後の生活を見据え、今のうちから将来受給できる年金の見込み額や、家計の収支などを把握しておけるとよいですね。 次章では、夫婦のみ無職世帯(65歳以上)の1カ月の家計収支の平均を見ていきます。 ※誕生日が1日の方は誕生月の前月に送付されます。