【密着】アメリカ ソフトテニスのプロ選手からピックルボールに転向 日本人で唯一全米プロツアーに参戦する息子へ届ける両親の想い
今回の配達先は、アメリカ。ここでピックルボール選手として奮闘する船水雄太さん(30)へ、青森県で暮らす父・宏二さん(63)、母・加奈子さん(51)、弟・颯人さん(27)が届けたおもいとは―。
全米で大ブームのピックルボールの世界へ飛び込み、メジャーを目指す
アメリカで1965年に生まれたピックルボールは、バドミントン・テニス・卓球の要素を合わせたラケットスポーツ。パドルというラケットを使い、穴の開いた硬いボールを打ち合う。コートはバドミントンと同じ大きさで、ルールはほぼテニスと同じ。今、全米で大ブームとなっていて、2021年に創設されたMLP(メジャーリーグピックルボール)では24チームがしのぎを削っている。雄太さんは現在、日本人として唯一全米プロツアーに参戦。ただ最高峰であり、目標とするメジャーリーグの選手になるには、年1回開催されるドラフトに掛かりたいところだが、まだまだ道のりは遠いという。 そんな雄太さんの家族はソフトテニス一家で、父・宏二さんは高校の指導者、母・加奈子さんも経験者。そして弟の颯人さんは2019年にソフトテニスで初めてプロになった選手で、雄太さんも弟に続いて2020年にプロ選手となった。そのため、宏二さんは雄太さんがピックルボールに転向したときは、「ようやくソフトテニスで生活できるようになったのに、何ていうことをするんだ」と驚いたという。「果たしてアメリカで通用するのか」と宏二さん。加奈子さんと颯人さんも生活や言葉の壁を気に掛けている。
今回、プロツアーが行われるのはオハイオ州シンシナティ。ピックルボールはダブルスが主流で、ミックスダブルスに出場する雄太さんは競技歴4年のデイナ選手とコンビを組む。キャリアでも実績でも雄太さんに勝る、頼もしいパートナーだ。 プロツアーで全米を転々とする雄太さんはホテル暮らしで、賞金も獲得していない。今後勝たなければ、コストの高いアメリカではプレーを続けられない可能性がある。だから、この1年が勝負だと考えているという。翌日から始まる予選を通過できるのは、58組のうち半分以下。1試合1試合、絶対に負けられない戦いが待っている。