パリ五輪の新体操で審判員に Wingまつもと主任コーチの鈴木あおいさん 長野県松本市
長野県松本市を拠点に活動する新体操クラブ「WingまつもとR.G.」の主任コーチ・鈴木あおいさん(51)=松本市波田=が、今夏のパリ五輪に新体操競技の審判員として派遣される。クラブの指導者として選手の育成に情熱を注いで約30年。指導に生かしたいと磨いてきた審判技術が、大舞台につながった。「最初で最後の機会と思い、誠実に大役を務めたい」と意気込む。 鈴木さんは、昭和55(1980)年に設立された同クラブの1期生。小学校2年生から高校生まで、選手として新体操に熱中した。高校卒業後、一般企業勤務を経て正式に同クラブのコーチとなった。 審判としては国内の大会で経験を積み、平成25(2013)年に国際審判の資格を取得。以来、世界ジュニア選手権大会など国際大会の審判を務め、東京五輪では開催国に任される線審も担った。 「新体操が強い地域やクラブには、レベルの高い審判がいる」と鈴木さん。審判技術を磨いてきたのは、自身がルールや競技を深く理解し、高いレベルの演技をじかに目にすることが、全国や世界を目指すクラブの選手の力になると感じたからだ。 1期生11人から始まったクラブは、今では全国総合体育大会(インターハイ)や世界選手権ジュニアに出場者を輩出している。「いつかはクラブから五輪選手を」。鈴木さんだけでなく、クラブに携わる全ての人の目標だ。パリ五輪での審判経験がその一助になると信じ「五輪の審判で得たものをクラブの選手たちに還元したい」と力を込める。
市民タイムス