ラリージャパン直前ウェルカムセレモニー開催…勝田貴元、「チーム王座獲得への貢献」を目標に最終戦を戦う
2019年から続いてきたトヨタによるドライバーズチャンピオン輩出に関しては最終戦を前に可能性が消滅(ヒョンデ勢の争いに絞られた)。□団体戦□であるマニュファクチャラーズタイトルに関しては逆転4連覇の可能性が残っているが、点数的な状況は4年ぶりの王座に向かって逃げるヒョンデ(HYUNDAI SHELL MOBIS World Rally Team)が優位だ。
トヨタ(TGR-WRT)は今季、かなり異例といえるラインアップ編成で戦ってきた。2022、2023年とドライバーズタイトル2連覇の若き王カッレ・ロバンペラが、今季は休息および他のモータースポーツ活動への多角的参加を目的にWRCはパートタイム参戦というかたちを採ったのだ。これは自身の3連覇の可能性を実質的にほぼ放棄する決断であった。
トヨタには通算8冠で既にパートタイム参戦に切りかえている#17 セバスチャン・オジェもいる。今季は、ともにパートタイム参戦のロバンペラとオジェが合計10冠の豪華な3台目□原則シェア参戦□という格好になった(今季ここまでロバンペラ4勝、オジェ3勝と、出ればさすがの成績。ジャパンにはオジェが参戦)。レギュラー参戦1、2台目の任は、昨季のジャパン勝者でシリーズランキング2位3回の実績がある#33 エルフィン・エバンスと#18 勝田が原則的に務めてきた。
今季の勝利数的にはトヨタが上(7対5)ながら、ポイント争いではヒョンデの後塵を拝している現在の厳しい戦況。ただ、マニュファクチャラーズタイトル4連覇の可能性は、まだあるのだ。それだけに、今季初めて□2台目□という地位に就いた勝田としては、その重責を果たし切るためにも前記したような目標内容の設定になるのは頷けるところ。
TGR-WRTを率いるチーム代表、ヤリ-マティ・ラトバラも、「とても重要な週末になる。ヒョンデと15点差。もちろん簡単ではないだろう。でも、皆がモチベーション高く準備を進めている。いい週末にしたい」と、最終戦決着を前にした決意を述べている。
ラリーウイークの天候を気にする意も#13 グレゴワール・ミュンスター(M-SPORT FORD World Rally Team)らが語っていたが、雨の味つけが加わったりすると、ラリーの流れが意外な方向へと転がっていく可能性が出てくるかもしれない。とにもかくにも、11月21~24日の「フォーラムエイト・ラリージャパン 2024」が王座の行方を決める熱戦となることは間違いないだろう。
レスポンス 遠藤俊幸