日本車の得意市場に異変あり? タイ「モーターエキスポ」で中国勢が存在感
トヨタ自動車「アルファード」などの高級ミニバンは日本で人気が高いが、その流れはアジア諸国にも広がっている。タイでもアルファードは大人気車で、街中でも多く見かけるようになっている。 そのブームにあやかろうとしてか、今回は中国メーカーが多くの高級ミニバンを出展していた。家族を大切にするタイ人の高級ミニバンへの関心は高く、多くの人が見て触れていたのが印象的だった。 ■日本メーカーの展示内容は? 日本車メーカーではトヨタが2024年10月に発表したばかりのハイブリッドセダン「カムリ」(フルモデルチェンジモデル)を展示。このクルマの歴代モデルは、タイでカンパニーカーとして重宝されてきた歴史がある。
日産自動車はミニバン「セレナ」をタイに初導入することを発表。マイルドハイブリッド車は先代モデルを、e-POWER(ハイブリッド)車は現行型を投入するという。仕様違いで新旧を投入するという計画には驚かされた。これには価格戦略的な意味もあるのだろう。
ほかにはマツダがミッドSUV「CX-5」とピックアップトラック「BT-50」、いすゞ自動車が新開発のディーゼルエンジンを搭載するミッドSUV「MU-X」とピックアップトラック「D-MAX」、タイで人気の高いホンダが「HR-V」(日本名:ヴェゼル)をそれぞれ展示していたが、いずれも改良型(マイナーチェンジモデル)であるため、ちょっとインパクトに欠けていたというのが正直な感想。日本車メーカー各社はタイで充実のラインアップを取りそろえているものの、新興勢力が拡大するショーの現場では目新しさを打ち出すのも重要だと思う。
■BYDは高級EVミニバン投入! 中国勢が躍動 BYDは現時点でEV中心のラインアップだが、PHEVの導入も始めている。さらには高級車ブランド「デンザ」のタイへの導入も推進中だ。第1弾モデルは2023年の「ジャパンモビリティショー」(JMS)でも大きな話題となった高級ミニバン「D9」となる。EVのみの展開で価格は199.99万バーツ(日本円で900万円ほど)からと超高価だ。将来的には日本へのデンザ導入も狙っていることだろう。