「力士の実母と祖母が部屋を匿名誹謗中傷」騒動、何が起きたのか 渦中の西岩部屋は「隆の里の鳴戸部屋」の系譜を引き、学生出身者を採らない厳格な指導で知られる
部屋の公式X、親方とおかみさんのブログの終了
そうして部屋を創設してから6年で、部屋が騒動に巻き込まれてしまった。西岩部屋では創設当時からSNSを利用した情報発信を積極的に行なってきた。「親方もおかみさんもブログを書き、特におかみさんのブログには弟子たちの成長を親御さんに報告する目的があった」(前出・担当記者)とされている。 しかしながら、10月14日には西岩部屋の公式X(旧ツイッター)が更新され、Xとブログの終了を発表。そこでは〈SNSは良い事もあれば良くない事もあり、現在も良い事の方が圧倒的に多いのですが、一方で誹謗中傷も目立つようになりました〉と綴っていた。 そして同23日になって序二段の幹希の里が部屋の公式サイトで、部屋へのSNSによる誹謗中傷が、母と祖母によるものだったと公表。区役所に行って両親と分籍したことを報告したのだ。 「幹希の里は兄弟で西岩部屋に所属していたが、弟の里田中(序二段)が今年5月場所後に部屋からいなくなった。9月場所後に相撲協会から正式に引退が発表されたが、いなくなった直後からSNSによる誹謗中傷が始まったという。結局、兄弟の母と祖母が書き込んでいたということを幹希の里が公表することになった」(前出・担当記者)
他の親方衆からも注目集まる
騒動がどのような展開を見せるのか、角界関係者の注目が集まっている。若手親方のひとりが言う。 「西岩親方は堅物で変わり者という評判ですが、相撲への情熱はどの親方より凄い。先代(元・隆の里)のやり方を受け継いでいるが、時代に合わせた新しい取り組みをしている。稽古は厳しいが、それで弟子が離れていくということはないと思う。辞めた弟子の家族がSNS上で匿名の誹謗中傷に走ったというのは、おかみさんも含めた私生活の指導のほうでトラブルにつながる何かがあったということなのか。なぜ、兄と弟でここまで立場を違えてしまったのか。10代の力士がどうして、家族と“分籍”という重い決断までできたのか。 相撲協会がきちんと実態解明するつもりがあるのかも気になります。育ってきた環境が違う子供たちが集団生活する相撲部屋では何かしら起こり得ることで、親方衆も注目している」 さらなる真相解明はなされるのだろうか。