「暗号資産の女王」に8億円の報奨金:米国務省──FBI最重要指名手配のワンコイン創業者
米国務省は、2017年にアテネで失踪した、自称「暗号資産の女王(クリプトクイーン)」でワンコイン(OneCoin)創業者であるルジャ・イグナトワ(Ruja Ignatova)氏の逮捕または有罪判決につながる情報に対して500万ドル(約8億円、1ドル=160円換算)の報奨金をかけている。 現地時間6月26日に発表された今回の新たな報奨金は、国務省の国際組織犯罪報奨金プログラムの下で提供されるもので、連邦捜査局(FBI)により提供されていた25万ドル(約4000万円)の報奨金を上回る。同氏は2022年にFBIの最重要指名手配リストに加えられていた。 同氏の母国ブルガリアの当局も現地時間6月26日、2014年から2017年初頭に仕組みが破綻するまで世界中の投資家から推定40億ドル(約6400億円)を盗んだポンジスキームにおける彼女の役割について、同氏に対して欠席裁判を行うと発表した。 ワンコインはプロモーターたちのネットワークを通じて運営され、自称のトークンを見返りに投資を募っていたが、実際にはいかなる暗号資産とも関係ないものであった。ワンコインはいかなるブロックチェーン上にも存在せず、同氏とそのチームは新しいコインを自動的に生成することでその認識された価値を操作していたに過ぎなかった。 米国務省はワンコインを「史上最大級の世界的な詐欺スキーム」と呼ぶ。 ブルガリアでの起訴に加え、ドイツ国籍の同氏は米国、ドイツ、インドでも刑事訴訟を受けている。 同氏のワンコインでの仲間たちは、このスキームにおいての役割から実刑判決を受けた。昨年、ワンコイン共同創業者であるカール・グリーンウッド(Karl Greenwood)は、その罪により懲役20年の判決を受け、さらに3億ドル(約480億円)の罰金を科された。同詐欺プロジェクトにおける2名の弁護士、ブルガリア国籍のイリーナ・ディルキンスカ(Irina Dilkinska)氏とアメリカ人のマーク・スコット(Mark Scott)氏は今年初めに実刑判決を受け、ディルキンスカ氏は禁固4年、スコットは禁固10年の判決を受けている。