日本とは違う!「No」と言えることを大切にする"自己主張が大事"なオランダの教育
「No」と言うことは性教育のはじまり
オランダは性教育においても先進国だといわれていますが、この「No」と言えることは性教育のはじまりでもあるのだそうです。 オランダでは、たとえ遊びの範囲でも、誰かが「やめて」と言ったらすぐにやめるよう教えられます。 たとえふざけているのだとしても「No」は「No」、子どものうちからその言葉の意味を重くとらえるよう教えられているように感じます。 性教育とは性に関することを直接教えるだけではなく、こうしたところからすでに始まっているのだということは新たな発見でした。
自由にともなう責任
しかし、こうした個を尊重するオランダの教育も、見る人によっては必ずしもメリットとはならない場合もあります。 「オランダの教育はそんなに良いのですか」 という質問を受ける時、私はいつも一瞬答えに迷います。 それはオランダの教育が、受けとる人によって良くも悪くも変わると思うからです。 やりたくないことはやらない=やりたがらないことを無理にはやらせないということは、本人の意思がなければやりたくないことは伸ばせないということです。 日本では、勉強においても子どもたちが大きく落ちこぼれたりしないよう、できるようになるまで全員を底上げしてくれるような教育がされていますが、オランダではそうではありません。 「本人の意思」「適性」として、あまりできないままということも往々にしてあるようです。 そんなオランダの教育を、実際もの足りないと感じる日本人の方もいるようです。 それでも私は個を尊重してくれるオランダの教育に魅力を感じますが、手取り足取り苦手も伸ばしてくれるほうがいい…という方にはもしかしたら日本のほうが向いているということもあるのかもしれません。 万人にとって理想の教育というものはなかなかないのかもしれませんが、それでも海外教育移住などで子どもの教育の選択肢を増やせるということはとても良いことなのではないかと思います。 このコラムを通して、少しでも「オランダの教育っていいかも」と興味を思ってくれる方が増えるよう、これからもオランダ教育の魅力をお伝えしていきたいと思います。 理想の教育とは何なのか…皆さんのお考えもぜひお聞かせください!
【Profile】ちゃんこ(@chankoikuji)
絵本講師。NPO法人絵本で子育てセンター所属。絵本蔵書5000冊超。 海外渡航約30ヵ国。2020年2月より、オランダに教育移住。 Instagram:@chankoikuji