「オオタニは言い訳できない」ロバーツ監督、異例の苦言のウラ側…大谷翔平と監督の信頼関係、ドジャースのエースが明かす「ショウヘイにも公平なんだよ」
ロバーツ監督“本当の評判”
まずは監督、デーブ・ロバーツだ。ドジャースを率いて9年目のロバーツは現在52歳。コロナ禍でシーズンが短縮された2020年には、ワールドチャンピオンにも輝いた。メジャーの世界でロバーツはどんな評価を受けているのか。米誌『スポーツ・イラストレイテッド』の野球記者、ニック・セルべ氏が語る。 「レギュラーシーズンは強くて、ポストシーズンは苦手。それがロバーツの見られ方だった。ファンが望むほどワールドシリーズで勝てていないから、特にポストシーズン中は采配批判を受けることが多かった。だけど客観的に見て、彼はチーム作りに間違いなく成功しているよね。選手層が厚いとはいえ、ほぼ毎年地区優勝を果たしてきたというのは称賛に値するよ。アンドリュー(・フリードマン/ドジャース編成本部長)と足並みが揃っている点も大きい。アンドリューはデータ重視、ロバーツは選手時代の経験から生まれる勘も大切にする。頑固というわけでも、誰かの意見に流されるわけでもない。そのバランス感覚に優れていると思う」 では選手のロバーツ評はどうか。グラスノーはこう熱弁する。 「驚くほどに、優秀だ。それは間違いないね。感情的になったり、選手に声を荒げたりしたことは一度も見たことがない。メンタル面で非常に安定しているんだよ。何より彼の強みは、選手とのコミュニケーションスタイルにあると思う。ケガしている選手のことも公平に見てくれているのがわかって、それがモチベーションを高めてくれるんだ。他の選手もこう思っているはずだよ。デーブのためにいいプレーをしたい、と」 つまりはフェアなのか? そう尋ねると、グラスノーは大きくうなずく。 「そのとおりだ。本当にそうだね、彼はフェアなんだよ」
ロバーツ監督の苦言を読み解く
ドジャースの中継ぎの一人、ライアン・ブレイシア(37歳)もグラスノーの意見に同調する。 「クラブハウスのすべての選手に対して、デーブは同じように接する。ショウヘイに対しても同じだね」 “ショウヘイ”の名前が出たのは、質問した筆者が日本人とわかったうえでの発言かもしれない。いずれにせよ、大谷やムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマンら超一流選手がそろうドジャースの特徴に、監督の公平性が挙げられることは間違いない。再びグラスノーの言葉だ。 「(監督が)すべての選手に対して接し方が同じという点は、ショー(大谷)がチームに溶け込むのに貢献したと思う。もちろん、彼の人柄ならどこでもうまくやれるだろうけどね」 事実、ポストシーズン中もロバーツは大谷の走塁について苦言を呈した。メッツとのリーグ優勝決定シリーズ第5戦で、三塁ランナーだった大谷がテオスカー・ヘルナンデスの遊ゴロで本塁に帰ってこなかったプレーについて、「よくわからない。グラウンドの中央にまでボールは飛んでいた」「あの状況ならショーヘイは走らないといけない。でも止まってしまった。言い訳はできない」とテレビ中継で言及したのだ。こうしたロバーツの態度が、じつは大谷を助けていたことがグラスノーの言葉から読み取れる。 <続く>
(「メジャーリーグPRESS」田中仰 = 文)
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