「鼓童」ライブに地元グルメ...極上の佐渡体験を堪能 佐渡市で富裕層向けツアー、2025年春にも始動
新潟県佐渡市で観光事業を手がけるサンフロンティア佐渡(千種)が、富裕層向けに佐渡の自然と文化、食を組み合わせた新たなツアーを始める。美しい夕日や、世界文化遺産に登録された佐渡金山を望める春日崎で夕食を提供。太鼓芸能集団「鼓童」の演奏や、地元食材にこだわった料理など、島ならではの「極上の体験」を掲げる。2025年春の実施に向けて準備を進めている。 サンフロンティア佐渡は近年、佐渡市相川地区にある「ホテル大佐渡」と「ホテル吾妻」を改修し、富裕層向けの客室を用意するなどリニューアルした。施設に加え、魅力的なコンテンツをつくりたいとツアー造成に乗り出した。 観光庁の補助事業を活用し、9月10日に業界関係者や有識者らを招いた1泊2日のモニターツアーを実施した。ホテル大佐渡の目の前にある春日崎でのディナーが目玉。水平線に沈む夕日を背に、参加者の間近で、鼓童が演奏を披露した。 島の食材活用などを考えるグループ「UMAMIlabo(うまみらぼ)」が料理を提供。銀鮭やノドグロ、イゴネリ、新潟和牛などを使ったメニューが並んだ。遠くに見える金山のシンボル「道遊の割戸」に歓声を上げる参加者もいた。 訪日客ツアーの誘致などを手がける「ジャパン・トラベル」(東京)のチニリ・ダヴィデさん(29)は「自然に加え、鼓童や金山の存在感もある。料理や文化、離島の雰囲気に可能性を感じる」と評価した。 ツアーではほかに、清水寺(せいすいじ)や宿根木を散策し、能やたらい舟なども体験。食事や移動にはサンフロンティア佐渡が運営するフレンチレストランやタクシー会社を活用した。 ツアーの受け入れ開始は25年春の予定。大佐渡か吾妻に宿泊し、モニターツアーで提供した夕食を軸に、参加者の希望に応じて、行程を決める完全オーダーメードにする。20人の団体でツアー料金は1泊2日1人30万円を想定している。 サンフロンティア佐渡の北見宗央常務は「佐渡全体のブランド力向上につながるツアーになる。来訪者の島内消費額拡大と、島内経済の活性化を目指したい」と話している。