少子化で難関大志向強まる 年内入試と一般入試の二極化も 大学入試最新トレンド
■中堅私大は年内入試
近年、受験生の難関大志向が強くなっている背景には、9月に始まる総合型選抜(旧AO入試)や11月に始まる学校推薦型選抜(旧推薦入試)といった「年内入試」の存在もある。
入試の多様化を推進するために導入された「年内入試」による令和5年度の入学者割合は、文部科学省の調査で、国公立大が前年度比0・8ポイント増の21・3%、私立大で同1・2ポイント増の58・7%。その割合は年々増加しており、年明け以降の一般入試の受験生との二極化が進む。
つまり、安全志向の受験生は年内に合格先を決めてしまい、年明け勝負の受験生は難関大を目指す意識がもともと強い。
近藤主席研究員は「年明けの一般入試で中堅私大に人が集まらなくなっている。そうなると年内入試にシフトしていかざるをえない」と分析している。(楠城泰介)