アリババグループ、日本向け越境ECアプリ「TAO」提供 「Temu」「SHEIN」に対抗か
アリババグループ傘下で国際EC事業を担当するAlibaba International Digital Commerce Groupは10月29日、日本市場向けの越境ECアプリ「TAO(タオ)」を10月8日にリリースしたと発表した。日本向けにも展開している中国発の越境ECサービスである「Temu」や「SHEIN」に対抗する取り組みともいえる。 【画像2点】「TAO」の強みや特徴 Alibaba InternationalはアリババグループのECプラットフォーム「淘宝(タオバオ)」の豊富な経験を活かし、日本のユーザー向けに新しいECアプリ「TAO」の提供を開始した。 「TAO」では、淘宝の特徴を生かして高品質な商品をリーズナブルな価格で提供している。日本のユーザーニーズや趣味・嗜好を踏まえた商品を厳選している。 「TAO」は、日本のユーザーがストレスなくショッピングを楽しめるよう、魅力的なビジュアルで商品の購入意欲を引き出すEC体験を提供する。今後、日本のユーザーニーズを踏まえ、ネットショッピングの利便性や快適さを向上させるため、順次アップデートを行うという。 日本のユーザーにより良いサービスを提供するため、Alibaba Internationalは国内に「淘宝日本株式会社」を設立した。これらの取り組みを通じて、TAOは日本市場に深く根付いた信頼されるECプラットフォームを目指す。 現在、TAOではアパレル・アクセサリー、インテリア家具、家庭用収納、バス寝具、アウトドアキャンプ、ペット用品、調理器具、オフィス用品などのカテゴリーで300万点以上の豊富な商品を販売している。今後も商品の数またカテゴリーをさらに拡充していく予定だ。 <日本向けにデザインや機能、サービスを用意> 「TAO」は日本市場に向けて多様な特徴を有する。著名なWeb/UIデザイナーである田中良治氏が手がけたサイトデザインとインターフェースにより、美しさと使いやすさを両立している。 シーン別やトピック別の商品推薦機能により、アプリ内を「探索」しながら商品を発見できる感覚を提供し、関連する商品を次々と発見することが可能だという。 ユーザー自身のお気に入りリストを共有し、他のユーザーと交流することができるなど、一定のソーシャル機能も備えている。 クロネコヤマト、佐川急便などの日本国内の大手運送事業者と協力し、商品を安全に届ける体制を整えています。さらに、購入から40日以内であれば、無料で返品に対応する。 クレジットカード・デビットカード、PayPay、コンビニ決済、Pay-easy等の決済方法に対応し、安心・安全な保障サービスも備えているという。 「TAO」を初めて利用する際は、初回の注文が配送料無料になる。2回目以降の購入ユーザーの場合、合計3500円以上で配送料が無料なる。 「TAO」は日本向けに専門の日本語カスタマーサービスチームを設置し、APPオンラインチャット、電話ホットライン、電子メールなど多様なカスタマーサービスを準備している。日本のユーザーとのコミュニケーションにおいて、時差などタイムラグを回避し、ユーザーからの問合せに迅速に対応することができるという。 <Alibaba InternationalはグローバルECを展開> Alibaba International Digital Commerce Groupは、2023年3月の組織改革を受け設立されたアリババグループ傘下で国際EC事業を担当する事業グループ。中国本土以外の世界各地の3億500万人以上の消費者に対してサービスを提供しており、2024年3月期の売上高は前期比46%増の1025億9800万元と成長している。 Alibaba Internationalは、各地域のマーケットの特徴に合わせて多様性のある、現地にマッチしたビジネスモデル及びビジネスブランドを展開している。代表的な例としては、スペインのハイエンドECプラットフォームである「Miravia」がある。このECサイトは、スペイン現地のミッドレンジおよびハイエンドユーザーの消費者の趣味趣向に合わせた専門ECサイトになっている。
「日本ネット経済新聞」 編集部 速報チーム