猪苗代ボート事故、検察側が上告 仙台高裁無罪判決に不服
会津若松市の猪苗代湖で2020年9月、航行するプレジャーボートで3人を巻き込み死傷させたとして、業務上過失致死傷罪に問われたいわき市の元会社役員佐藤剛被告(47)に言い渡された二審仙台高裁の無罪判決について、仙台高検は27日、判決を不服として最高裁に上告した。 仙台高検の吉川崇次席検事は「上告審での適正な判断を求めるため申し立てをした」とコメントを発表した。 昨年3月の一審福島地裁判決は、事故当時、水上バイクが現場付近を航行していた状況などから「湖水に人が浮かんでいることを予見できた」などとして被告の過失を認定、禁錮2年の実刑判決を言い渡した。被告側が判決を不服として即日控訴していた。 一方、仙台高裁は16日の判決で、一審が有罪の根拠とした県警の実況見分結果に「(事故時と)視認条件が異なる」と指摘。「約223メートル先から被害者を発見できた」との一審判決を破棄し、被告の過失は認定できないとして逆転無罪を言い渡した。 被告側代理人の吉野弦太弁護士は上告を受け「証拠を隠すなど不適切な対応を繰り返した検察側に、適法な上告理由はないと考えている」とコメントした。
福島民友新聞社