地動説を知った17世紀の科学者たちが考える地球外生命体とは?
神の産物?
この現代で私たちは、宇宙が神の全能による産物である考える世界にはもう住んでいません。また、私たちの惑星が宇宙の中心であると見なすこともできません。そのため、逆説的にも私たち自身が自分自身に対する「エイリアン」になってしまったのです。現代の「疎外感」とは、神のいない広大な宇宙の中で迷子になり、見捨てられた感覚のことなのです。 近世17世紀において宇宙人は、地球人にとって脅威とは見なされていませんでした。結局のところ、たとえ彼らが「人間」ではなくとも、神の業の産物だと見なされていたからです。 しかし現代においては、宇宙人は意味や目的のない世界における私たち個人の意味を脅かす存在を体現し、表出化する存在となっています。私たち自身の疎外感の投影として、宇宙人は私たち人間を魅了し続けると同時に、恐怖の対象になったのです。
岩田リョウコ