住宅ローンは思ったより多く借りられるけど…「自分の収入で買える家」を見極める3つのステップ
『家を買う! 建てる! 幸せになる住まいを学ぶプロジェクト』。ウェビナーのテーマ「住宅購入のためのお金の知識」から、5つの記事に分けてレポート。 賃貸と持ち家、どちらが正解?「一生賃貸」派だったわが家が戸建てを買った理由【漫画で見る】
1年を通して行ってきた「住まいを学ぶプロジェクト」も今回が最終回。土地の選び方から建物の性能、インテリアまで、さまざまな面から学んできましたが、最後はこれがなくては始まらない! 住宅購入にまつわるお金について。ファイナンシャルプランナーの荒木先生に伺います。
住宅予算は、借りられる金額ではなく返せる金額
自分に見合った住宅購入の予算の立て方があるとのことですが、早速、教えてください。 荒木「まず、皆さんは自分がどれくらいの家なら買えると思っていますか? 家を購入するときは、ほとんどの方がローンを組まれると思いますが、買える家は借りられる金額ではなく、返せる金額で考えましょう。 住宅ローンは自分が思っていたよりも多く借りられることもありますが、やはり収支のバランスは大切。そこで、買える家の目安となる3つのステップを教えてくれました。
荒木「ステップ1は毎月の返済金額から考えていきます。今の住居費を基に、駐車場代を払っている人はプラスして計算してください。例として、家賃8万円+駐車場代2万円。もし、今は住居費を抑えていてもう少しプラスαできるという人は、その金額も足し合わせましょう。4万円プラスをしたとすると、計14万円になりますよね。1年間で168万円となり、これが住宅の購入資金として充てられる金額のベースになります。 ただし、これで終わりではなく、実際に支払える金額を月ベースでもう一度考え直します。住居費168万円から、1年間に1回かかる固定資産税を引きます。ここでは分かりやすく固定資産税を10万円で計算していますが、インターネットで検索すると物件価格に対しての大体の固定資産税が出てきますので、目安にしてくださいね。 12カ月で割り戻すと月13万円。ここから戸建てかマンションかによって変わってくるのですが、戸建ての場合はそのまま13万円がローンに充てられます。マンションの場合は、管理費や修繕費を差し引き、駐車場を持つのであればさらに差し引く必要があります。すると、9万円ぐらいが支払える額となるのです。 戸建ての場合も、別に駐車場を借りる必要があるときには差し引きますが、ここではガレージがあるとして差し引いていません。また、戸建ては管理費はかかりませんが、将来、修繕やリフォームなどでお金がかかることを想定して、積み立てておく必要があることを忘れずに」