モットーは「楽しく、元気に、可愛く」で全国大会3位入賞 “美意識高め”社会人女子卓球チームいろは
選手のスカウトは“飲み会”
――今回勝ち上がれた要因はどこにあったのでしょうか? 長谷川さん:ベスト8決定戦の相手が松商学園高等学校のOGチームでした。 チームメイトの乾ちゃん(乾加那子、松商学園高等学校→大正大学出身)が松商学園高等学校の卒業生ということもあり、「全員強いよ」と話を聞いてたので、そこが1つの山場になると思っていました。 2日目のベスト8決定戦に向けて、1日目の試合が終わってからご飯を食べる時まで、ずっとみんなでオーダーを考えていました。 考えて考えて考えまくったオーダーが当たって、それがめちゃくちゃ大きかったですね。 ――まさにチームで勝ち取った1勝ですね。長谷川さん個人としては、全国大会の表彰台は初ですか? 長谷川さん:初ですね。というか、愛美(金崎愛美、希望が丘高等学校→日本大学出身)と乾ちゃん以外は全員初だと思います。 ――金崎さんの加入は、かなり心強いですよね。 長谷川さん:日本大学でバリバリやってたので強いです。ただ、私は愛美と卓球したことは全然なくて(笑)。 ――では金崎さんはどういったきっかけでチームに入ったのでしょうか? 長谷川さん:私はみんなでお酒を飲みに行くのが好きで、愛美とは卓球の友人同士の飲み会で知り合いました。 そこで気が合って、お酒やご飯に行くようになり、「ちょっとチームの人数が足りないから入ってよ」と頼んで、愛美には入ってもらいました。 ――まさかの飲み会スカウトだったとは(笑)。 長谷川さん:飲み会でのスカウトは大事です(笑)。
「楽しく、元気に、可愛く」
――チームとして大事にしていることはなにかありますか? 長谷川さん:部活ではないので目標とかはあまりないです。強いて言えば、「楽しく、元気に、可愛く」ですね。ユニフォームもめっちゃ頑張って考えて、可愛く作ったので。 最初は全員「スコートは嫌だ」と言っていましたが、スコートは若いときにしか着られないような気がするし、今のデザインはズボンにすると海パンみたいになるので(笑)。それだけが嫌で、私がみんなに「これ着て!」と頼んで、スコートを強制しました(笑)。 結局みんな着たら「可愛い」と喜んでくれたので、結果オーライですね。 ――ユニフォームのデザインは長谷川さんが考えられていたのですね。 長谷川さん:はい。みんな可愛い子ばかりなので、可愛い子に可愛いユニフォーム着てもらっています。「やっぱり可愛いなぁ」と思いながらいつも見ています(笑)。 あと、みんな美意識が高いです。一度、暇なときに「今日練習しない?」と誘ったら、「今日マツエクです」とか「マツパです」とか「ネイル行くから無理です」とか言われて、美容系の理由で断られたことがありました(笑)。 でも、それが理由で特に怒ったり注意したりすることはないです。 ――お話を聞いてると、みなさんの趣味や感性が似ていそうですね。 長谷川さん:そうですね。みんなお酒も好きで、クラブ選手権の試合の日もちゃんとお酒を飲みに行きました。 ――社会人卓球の理想ですね(笑)。 長谷川さん:結局は、みんなで旅行がてらクラブ選手権に行っている部分は大きいですね。ついでにランクインして、気持ちよくお酒飲もうと思っています。 ――今後も基本的には「楽しくやろう」というスタンスですか? 長谷川さん:そうですね。気が合う仲間と楽しくやって、去る者は追わず。 特にメンバーを増やしたりとかは今は考えていなくて、今のメンバーがやりたいって言ってくれれば続けます。 団体戦はクラブ選手権と新体連の全国大会しか出ていません。 今回も「クラブ選手権の推薦が取れなかったら解散してもいいかな」ぐらいに思っていましたが、ベスト4で来年度の本戦への出場権を推薦で取れたから継続予定です。「推薦取れる限りは継続していこう」ぐらいの気持ちですね。 ――ちょっとした背水の陣ですね(笑)。 長谷川さん:そうは言っているものの、結局推薦が取れなかったら「来年リベンジしよう!」という気持ちになるかもしれないです(笑)。 特に、今年はベスト4に入れて「次はとりあえず一回てっぺん目指してみるか」という気持ちにもちょっとなっています。 去年よりも今年は負けた試合も「チャンスがあったかも?」という感じだったので、ちょっと夢見てもいいかなとは個人的に思っています。
山下大志(ラリーズ編集長)