田中史朗が語る日本ラグビー発展の条件「レフリーのレベルの向上」「リーグワンの地域密着」
──引退会見にサプライズで登場した松田力也選手(前・埼玉パナソニックワイルドナイツ)は伏見工業(現・京都工学院)高校の後輩でもあり、長くともにプレーしてきた選手でもあります。 彼はすごく成長しましたね。もし明日、代表戦があるとしたら僕は松田選手を選びます。後輩というよりも仲間として、新天地でさらに成長した彼のパフォーマンスを2027年も楽しみにしています。 ──同じく引退会見に登場し田中さんを慕ってきた松島幸太朗選手(東京サントリーサンゴリアス)は一旦代表を休む決断をしました。そういう時間も必要でしょうか? ずっと代表でやってきたマツ(松島)も今や31歳です。(調整のしかたは)年齢にもよってくるのではないでしょうか。僕だったら休まないですけどね。と書いておいてください(笑)。 【日本ラグビー発展の課題は?】 ──リーグワンを含め、日本のラグビーの発展のためには様々な課題があると思います。今、田中さんが考える喫緊の課題は何でしょうか? レフリーのレベルの向上です。そこを解決していかないと世界に置いていかれてしまいます。スーパーラグビーやテストマッチではレフリングにストレスを感じることはほとんどなく、コミュニケーションを取りやすい雰囲気もありました。ひとつのレフリングで選手の人生、チームの勝敗が左右されてしまいますので、TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)も含めて選手もお客さんもストレスを感じないレベルのレフリングになることを願っています。その点が改善されなければワールドクラスのリーグには成長していきません。 ──ほかにもリーグワン、ひいては日本ラグビーの発展のための提言があればぜひお願いします。 ほかのチームがどこまで取り組んでいるか把握してないのですが、サッカーのようにもっと地域密着型にしていく必要があると考えています。東京・府中市が本拠地のブレイブルーパスやサンゴリアスは「府中ダービー」を開催するなど地域に密着した活動をしている印象があります。もっといろいろなチームがそういう取り組みをやらないといけません。僕たちグリーンロケッツも「東葛」(千葉県北西部)という地域名を名乗っている以上、地元にもっとコミットすべきだと考えています。 ──シーズン中のみならずオフにも地域での活動が必要ということですね。 プロならばそういう活動もやっていく必要がありますね。