福山市でSNS型詐欺の被害4億円超 ロマンスや投資でだます手口
広島県福山市内で今年1~6月の上半期、交流サイト(SNS)で知り合った相手から架空の投資話などで金銭を詐取する「SNS型詐欺」の被害が26件、約4億円に上ったことが福山東、福山西、福山北署への取材で分かった。同期間の特殊詐欺の被害は前年同期から大幅に減っており、各署は手口が切り替わった可能性もあるとみて注意を促している。 【一覧】SNS型詐欺の被害額と主な手口 「外国為替取引に投資しませんか」。市内の50代女性のスマートフォンに昨年12月、SNSで知り合った金融アナリストを名乗る人物からメッセージが届いた。女性は利益を確認するためとして勧められた投資アプリをダウンロード。金融会社の投資顧問を名乗る別の人物の指示で今年1~3月、8回にわたり計1700万円を振り込んだという。 3署のまとめでは、上半期に起きたSNS型詐欺の被害は、女性と同様の「投資」が20件(2億4130万円)。SNSで知り合った相手に親近感を持たせ、インターネットショップ経営などに誘う「ロマンス」も6件(1億6289万円)に上った。 一方、医療費の還付などをかたった特殊詐欺の被害は16件(3290万円)で、前年同期の34件(1億5587万円)から大きく減少した。福山西署管内は0件で、林田辰男次長は「特殊詐欺を警戒する機運が社会に浸透し、犯人グループの手口がSNS型に切り替わった可能性がある」とみる。 林田次長は、高齢者が被害者の大半を占める特殊詐欺に比べ、SNS型詐欺は日常的にスマホを扱う比較的若い層が被害に遭うケースが目立つと説明。「必ずもうかる話はない。手口を知り、被害に遭わないようにしてほしい」と呼びかけている。
中国新聞社