迫る炎に若衆対峙 地域繁栄願い 浜松・引佐で「川名のひよんどり」
浜松市浜名区引佐町川名地区に室町時代から伝わる国指定重要無形民俗文化財「川名のひよんどり」が4日、同地区の福満寺薬師堂で行われた。住民らが伝統の儀式を繰り広げ、地域の繁栄を願った。 川で身を清めた若衆6人が薬師堂の前に並び、たいまつを持つ禰宜(ねぎ)と対峙(たいじ)した。禰宜が炎を振りかざすと、若衆は迫り来る熱気に必死に耐え、最後は堂内に持ち込まれた火をしめ縄でたたき消した。その後、保存会員や地元児童が舞を奉納した。 保存会の前嶋功会長(享年76)が昨年10月に亡くなったが、伝統継承への思いは受け継がれている。会長代行の安戸守男さん(76)は「無事にこの日を迎えられた。皆が健康に過ごせる1年になれば」と話した。 川名のひよんどりは来年、600回目を迎える。
静岡新聞社