地元グランプリ出場かかる賞金10位・深谷知広はピンチかチャンスか!? 南関勢が一つになるとき/競輪祭
太田海也と中野慎詞は何をもたらす
太田海也(25歳・岡山=121期)は昨年大会でG1初の決勝進出。“取れる力”は誰もが疑わない。ライバルである中野慎詞(25歳・岩手=121期)も、パリ五輪ケイリン決勝での落車、鎖骨骨折から元気に復活。四日市記念の躍動は、今大会への布石となった。 中野の先行に乗って四日市記念を優勝した新山響平(31歳=青森=107期)は、3年連続のグランプリ出場に大きく近づいた。一昨年の当大会以来だった優勝。勢いに乗って、2回目のG1制覇も十分あるだろう。大逆転の切符ゲットを目指す戦いは、毎年、熾烈だ。 何年か前のことだが、川口聖二(30歳・岐阜=103期)が「この大会に出られる以上、1ミリ、ほんのちょっとだけでも可能性はあるんです」と青ざめた顔で意気込んでいたことを思い出す。無論、九州勢も九州から優勝者を、で一丸となる。井上昌己(46歳・長崎=86期)が28歳の時、2008年まで競輪祭の九州の選手の優勝はさかのぼる。
「佐藤水菜」の勝たなければいけない戦い
ガールズケイリンでは今年パリ五輪があったことで、G1の久留米オールガールズクラシック、岸和田パールカップに佐藤水菜(25歳・神奈川=114期)が出場していない。パリのケイリン金メダルでの出場権獲得も期待されたが、それはならなかった。 単純な力比べで圧倒的な差があるといっていい。10月世界選手権では悲願のケイリン金メダルも獲得した。サトミナが強く、またそれに立ち向かう選手たちの成長が、よりガールズケイリンのレベルを上げる。まだ長い将来を築いていくためにも、サトミナは圧勝して他の選手たちの心に火をつける責務がある。 2012年のガールズケイリンのスタートから、それなりに時間は経っているが、まだまだ先を見据えていかないといけない。もっともっと長く、続くために。その基礎となる選手レベルの向上と、取り巻く環境の整備が必要だ。(文:東京スポーツ・前田睦生記者)