「あなたの保険証が使えなくなる」警察官や検察官名乗り約3800万円相当の暗号資産をだまし取られる被害
上越市に住む30代の女性が、暗号資産およそ3800万円分の特殊詐欺被害に遭ったことがわかりました。 警察は少しでも不安なことがあれば、家族や近くの交番や警察署などに相談してほしいと呼びかけています。 【写真を見る】「あなたの保険証が使えなくなる」警察官や検察官名乗り約3800万円相当の暗号資産をだまし取られる被害 ■「あなたの保険証が使えなくなる」 “厚労省の職員”名乗る男から電話が… 警察によりますと、今年10月2日夕方ごろ、30代女性の自宅に“厚生労働省の職員”を名乗る男から電話がありました。男は電話に出た女性の母親(60代)にこう話したとそうです。 「あなたの健康保険証が使えなくなる」 30代の女性が電話を代わると、男はさらに… 「病院で薬が不正に処方され、保険証の名義人が女性の母親だった」 「保険証が不正に利用されている可能性がある」 「被害届を出さないといけないので、警察にまわす」 などと言い、別の男に電話を代わりました。 ■“警察官”名乗る男ら「あなた達の資産を調べる必要がある」 “厚生労働省の職員”を名乗る男に代わって電話口に出たのは、“仙台中央警察署の警察官”を名乗る男でした。 男は、次のように話したということです。 「保険証の不正利用で犯人を逮捕した」 「犯人はマネーロンダリングをしていて、あなた達も関与している疑いがある」 「今後の連絡はアプリでやり取りする」 女性は指定されたSNSのアプリをダウンロードし、男との音声通話が始まりました。“仙台中央警察署の警察官”のほか、“検事”を名乗る男も現れたということです。そして男らは次のように話しました。 「嫌疑を晴らすために、あなた達の資産を調べる必要がある」 「ネットバンキングで暗号資産を購入して、指定のアドレスに送金してください」 「調査が終わったら返金する」 ■およそ3841万円の暗号資産を購入し被害に 女性は男らから銀行口座の新規開設や、暗号資産を取引するためのアプリのダウンロードを指示されたといいます。 そして、10月29日までの1か月ほどの間に、“検事”を名乗る男らから指示されるがまま、女性は7回にわたって暗号資産およそ3841万円相当を購入し指定されたアドレスに送信しだまし取られたということです。