60歳を超えると収入ダウン… 60歳以上の高年齢者の就労を支援する主な「3つの給付金制度」の概要
高年齢者とは、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」においては55歳以上の方のことをいい、中高年齢者とは45歳以上の方と定義されています。わが国の高齢化がさらに進展していくなかで、働く意欲のある高年齢者を援助し、雇用継続を促進するための給付金制度は、複数用意されています。 本記事では、雇用保険法に定める「高年齢者」を対象とした、主な給付金制度の概要について確認していきます。 ▼高齢者の「4人に1人」は働いている!? 平均年収はどのくらい?
被保険者の年齢に応じた給付金制度
高年齢者の雇用継続を援助・促進することを目的とした給付金制度には、主に以下の3つがあります。似たような名称なので、混同してしまう場合もあるかもしれません。 【60歳以上65歳未満の被保険者を対象とした制度(高年齢雇用継続給付)】 (1)高年齢雇用継続基本給付金 (2)高年齢再就職給付金 【65歳以上の被保険者を対象とした制度】 (3)高年齢求職者給付金 以下で、それぞれについて説明します。
高年齢雇用継続給付
前記(1)と(2)はいずれも60歳以上65歳未満の被保険者に対して、再雇用された際の賃金が原則60歳時点と比べて75%未満に低下した場合に申請することで、各月に支払われた賃金の最大15%に当たる給付金が支給される制度です。 両者の違いは、主に雇用保険の受給の有無にあります。(1)高年齢雇用継続基本給付金は雇用保険(基本手当等)を受給していない方を対象としているのに対して、(2)高年齢再就職給付金は雇用保険を受給している間に再就職した方を対象としています。支給申請の手続きは、いずれも事業主を経由して行います。 また、両者には他にも受給条件や受給期間などの違いがあり、主な違いをまとめたものが図表1となります。 図表1
厚生労働省「高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について」より筆者作成 なお(2)の場合は、基本手当の支給残日数が100日未満となった後に再就職したときには、受給資格はありません。