月収42万円・46歳サラリーマン「地元の国立大以外は認めんぞ」に受験生の息子は大反発。「親父には頼らない」の先に待ち受ける「残酷な結末」
「大学なんて行かない!」が現実になったら…給与・年金の格差に唖然
そんな父親に対して、長男は猛反発。 ――なんで親父は東京の大学に行ったのに、俺はダメなんだよ! ――地元の大学なんて行きたいところないし。それなら大学なんていかねーよ 息子の言い分もわかります。山本さん自身、東京の私大に進学し、東京で就職。子育ては環境のいい田舎でしたいと妻と話し合い、30代になってから地元にUターンしてきました。今となっては、自身の親がずいぶんと無理をして大学に通わせてくれたのだとわかります。だから自分も……そうはいっていられないほど、時代はずいぶんと厳しいのです。 ――ダメだ、大学くらい出ておかないと苦労するぞ 山本さん、そういうのが精いっぱい。それに対し息子は「学歴とかいう時代じゃないだろ!」とさらなる猛反発をくらったのだとか。 学歴を重視するなど過去の話といわれるようになりましたが、たまたまチャンスを掴むことができた人、特筆する才能があった人など、ほんのひと握りの話であることは、大人であれば誰もが知るところ。 厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、同じサラリーマンであっても高校卒(平均年齢44.6歳)の平均給与は月収31.6万円、賞与も含めた年収で518.8万円。一方で大学卒(平均年齢42.6歳)だと月収40.8万円、年収で673.6万円。月で10万円弱、1年で150万円以上の給与差が生じています。 さらに生涯年収で比較すると、学校卒業から60歳まで、ずっと平均給与を手にしてきたと仮定すると、高校卒で2億円、大学卒で2.5億円と家1軒分の差が生じます。さらに給与差はそのまま年金差に。65歳から受け取れる年金額は基礎年金と厚生年金の合算で、高校卒なら月16.2万円、大学卒なら月18.1万円。月2万円ほどの差が生じます。現役時代に比べると差は小さくなりますが、年金に大きく依存する老後。1年で24万円、10年で240万円、20年で480万円……たとえ月2万円の年金差でも、インパクトはかなり大きなものになります。 学歴による給与差、年金差は歴然です。もちろん進学する大学によっても給与差は生じ、大学に行ったからといって、高給が約束されているわけではありません。しかし学歴を乗り越えて高給を実現する人は、確率的に低いといわざるを得ません。 ――親父の力には頼らない。高校を卒業したら働いて見返してやる! そう反発する息子の未来は残念な結果に終わる確率が高い……これが、何とも残酷な現実です。 [参考資料] 厚生労働省『毎月勤労統計調査』 日本銀行『生活意識に関するアンケート調査(第99回<2024年9月調査>)』 総務省『小売物価統計調査(動向編)』 全国大学生活協同組合連合会『第59回学生生活実態調査』 厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』