日本で唯一の「心理職の国家資格」だが…診療報酬が低すぎる!?「公認心理師」の給与額【医師が解説】
公認心理師の「診療報酬」は?
公認心理師が「心のプロフェッショナル」として公的に認められたことで、診療報酬をつけられるようになりました。 公認心理師による診療報酬が適応されるのは、主に下記のような場面です。 (1)小児特定疾患カウンセリング料 小児期から、自閉症スペクトラムに代表される発達の遅れ、脳機能の先天的な障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)などさまざまな理由で心のカウンセリングが必要な人がいます。 その場合、医師だけでなく公認心理師でも診療報酬加算がつけられるようになりました。 その診療報酬とは「療養上必要なカウンセリングを20分以上行った場合に『200点(2,000円)』」です。最低20分なので、通常はもっと時間がかかることも往々にしてあります。 (2)アルコール依存症の外来患者に対する集団療法の評価 さまざまな社会的な背景からアルコールに依存してしまう人がいます。その場合、アルコール依存症をなくすためにさまざまな心理カウンセリングが必要なのですが、こういった場面にも公認心理師がかかわります。 具体的には、アルコール依存症の患者に対する集団療法を行った場合、「依存症集団療法(外来)」の診療報酬として「300点(3,000円)」が加算されます。 その算定要件として「医師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士若しくは公認心理師で構成される2人以上の者」が必要となります。 (3)生殖補助医療に係る評価 子どもを持ちたいけど、なかなかできない……そこには体の問題だけでなく心の問題が背景となっている場合も十分あります。そこで、外来でも生殖補助医療を受けている不妊症の治療患者に対して、「生殖補助医療管理料」を取ることができます。 その診療報酬は、月に1回のみの「300点(3,000円)」です。 算定要件として「看護師、公認心理師等の患者からの相談に対応する専任の担当者を配置すること」が義務付けられています。 (4)がん患者指導管理料 「あなたはガンです」と言われたときや、「ガンが取り切れていませんでした」「ガンが再発しました」など辛いことを言われたとき。その心の重圧や苦しみは計り知れません。 そこで活躍するのが公認心理師です。がん患者の心理的苦痛の緩和を図るため、さまざまなカウンセリングを行う必要があります。 こうしたなか、算定要件も改訂され「医師、看護師または公認心理師が、患者の心理的不安を軽減するための面接を行った場合」に「がん患者指導管理料」がとれるようになりました。 その時の診療報酬は「200点(2,000円)」です。さらに1人の患者さんにつき合計6回までと決まっています。 このように見ると、1回のカウンセリング行為でとれる金額は2,000円~3,000円くらいであることがわかりますね。 そのほかにも、 ・入院集団精神療法 ・通院集団精神療法 ・依存症患者に対する医療の充実 ・重症患者等に対する支援に係る評価 ・胎児が重篤な疾患を有すると診断された妊婦等に対する多職種による支援の評価 などさまざまな場面で公認心理師が活躍する場面が設けられていますが、いずれもそこまで高い点数ではありません。