マカオ税関が祐漢エリアの工業ビル内に開設された運び屋向け密輸品供給拠点2ヶ所摘発…冷凍肉類1400キロ発見
澳門海關(マカオ税関)は7月10日、同月9日にマカオ半島北部・祐漢エリア所在の工業ビル内に開設された違法な運搬活動(いわゆる運び屋行為)従事者向け商品供給拠点2ヶ所を摘発したと発表。 現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション(通称:ボーダーゲート)に近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘され、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつ。
税関によれば、運び屋活動に対する監察を継続し、近日摘発した密輸事案の分析と追跡調査をもとに、運び屋向けの商品供給拠点とみられる場所の特定を進めていたという。9日午後のパトロールにおいて、祐漢エリアにある工業ビル内の2店舗が運び屋行為に関与している形跡があったことから、即座に摘発を実施。店の責任者2人(男女各1人)を取り押さえるとともに、店内から冷凍牛肉約400キログラム及び冷凍牛もつ約1000キログラム、市価にして約23万パタカ(日本円換算:約460万円)相当を発見・押収したとのこと。 店舗の責任者の男女はそれぞれ30歳の中国本土居民、56歳の香港居民で、いずれも違法就労だったという。運び屋を組織して中国本土へのハンドキャリーで密輸出させ、正当な貿易活動の規制逃れを図ったとし、対外貿易法違反で起訴するとともに、食材が室温下で放置され、温度管理が不適切だったことが食品安全法に触れる可能性があるとして、食品安全行政を管轄する市政署が調査を行うことになったほか、当該店舗が営業許可証なしで営業していたことも明らかになったとした。
税関では、本件を受けて広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう累次の呼びかけを行うと同時に、今後も法執行策を動態的に調整しながら全力を挙げて運び屋による密輸の摘発を進める考えを示した。 このところマカオでは運び屋が絡む食材の密輸出事案の摘発が頻発おり、活ロブスターや冷凍肉類などが目立っている。