千葉ロッテ 黄金イヤーの法則は実現するか?
千葉ロッテに黄金イヤーの法則と言うものがあることをご存知だろうか。 引退した里崎智也が、引退セレモニーで発言して以来、ファンの間で広まっている法則だ。2005年、2010年、5年おきに日本一になっているという法則である。 まずは、言いだしっぺの里崎智也氏に聞く。 「誤解してもらっては困るのは、この法則は、日本一になるという法則で、レギュラーシーズン優勝の法則ではありません(笑)。まずは3位以内に入れば、クライマックスシリーズへの出場権を得るわけですからね。確かに成瀬の穴は埋まっていない。僕は1年活躍しただけの選手や新戦力は計算しないので、未知数の戦力が多いことは確かです。期待のデスパイネも合流が遅く開幕の4月と夏場に戦力とならないので、そのいない間のカバーはどうするのか。田村と吉田が争っているキャッチャーにしてもそうでしょう。見えない部分は多いのですが、期待するのは若手の押し上げ。オープン戦の勢いをどうつなげていくかでしょう。振り返ってみれば2005年も2010年も中心となる選手の名前が右から左へさっと出てくるくらいに戦力は整っていました。そのときの戦力と比べると現状は厳しいのかもしれませんが、こうなれば勝てるだろうという期待値はあります」 2005年は2年目となるバレンタイン監督が率いたが、先発には渡辺俊介、清水直行、セラフィニ、小林宏之、小野晋吾に、結果的に新人王を獲得した久保康友(現在横浜DeNA)と高いレベルが6枚揃っていて、中継ぎ、抑えには、薮田安彦、藤田宗一、小林雅英の「YFK」と呼ばれる信頼すべき3枚がスタンバイしていた。打線でも、主軸をフランコ、イ・スンヨプ、ベニーらの外国人で固め、サブロー、福浦和也の中堅に西岡剛、今江敏晃、里崎らの若手の勢いがミックスしてツープラトンを組めるほど充実していた。 ただ西村徳文氏の監督昇格初年度となった2010年は、開幕前には、野村克也氏ら多くの評論家が最下位を予想していた。結果、首位打者を獲得したトップバッターの西岡から井口資仁、キム・テギュン、大松尚逸、サブロー、福浦らが揃った打線が爆発して、投手陣もエースの成瀬善久、渡辺、マーフィーの3本柱が確立、中継ぎ、抑えにも、古谷拓哉、伊藤義弘、薮田、小林らがいて開幕ダッシュに成功。最後までもつれた熾烈な3位争いを勝ちきると、プレッシャーゼロの勢いのまま、CSで西武、ソフトバンクを撃破、日本シリーズでも、落合中日を倒して“史上最大の下克上”を成し遂げた。