日本代表と11月決戦「最強インドネシア代表に警戒せよ」(1)日本以外の「C組3強」から勝ち点、韓国の「10連続」阻止、FIFAランク「50か国」ゴボウ抜き
■インドネシアを「急成長させた」スター選手
インドネシアは現在、アジアで最も急成長しているチームである。「コロナ前」の2020年はじめには、FIFAランキングで173位と低迷していたが、わずか4年間で50近くの国を抜き、現在130位。今年はじめのアジアカップ(カタール)ではノックアウトステージに進出し、大きく注目を浴びた。さらに同じカタールで行われたU-23アジアカップ(兼オリンピック予選)では、準々決勝で2-2からPK戦11-10で韓国を倒し、韓国のオリンピック出場を9大会連続で途切れさせた。 2019年12月、「コロナ禍直前」に就任したのが韓国人の申台龍(シン・テヨン)監督。現役時代の大半を当時韓国最強チームだった城南一和天馬で過ごし、攻撃的MFとしてKリーグで優勝6回。その間にリーグのベスト11に9回、MVPにも2回選出されているトップスター選手だった。もちろん、韓国代表としても活躍したが、残念ながらワールドカップ出場記録はない。 2005年に引退して指導者となり、2017年から2018年にかけて韓国代表を率い、2018年ワールドカップ・ロシア大会では、ドイツに2-0で勝ったものの、グループ突破を逃した。そして1年半後、U-23代表監督と兼任する形でインドネシア代表監督に就任した。そして、ここからインドネシアの急成長が始まるのである。
■チームを大幅に強化した「ルーツ選手」探し
ただ、申台龍監督の手腕だけでは、このような急成長は可能にはならなかっただろう。背景には、サッカー好きとして知られてきたジョコ大統領(2期10年の任期を終えて今年10月20日に退任した)をはじめとする政府の大きなバックアップがあった。オランダを中心に欧州で活躍するインドネシア・ルーツの選手を探しだし、国籍を与えることで、ナショナルチームが大幅に強化されたからである。 インドネシア政府は2015年にサッカー協会(PSSI)の資格を停止。これが政府によるサッカー協会への干渉を排除する国際サッカー連盟(FIFA)規定に抵触し、FIFAはインドネシア協会に資格停止処分を下した。「政府の口出しをやめさせなければ、国際大会には出場できないぞ」ということで、協会というよりインドネシア政府に圧力をかける制裁だった。その結果、インドネシアは2018年のワールドカップ・ロシア大会のアジア予選から除外された。
大住良之
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