福知山脱線事故の被害者 音楽で支えるフレンズかわにし
JR福知山線脱線事故から10年 被害者を音楽で支える「フレンズかわにし」で歌う原口佳代さん THE PAGE大阪
2005年4月25日に兵庫県尼崎市で発生したJR福知山線脱線事故の被害者を音楽で支えるイベント「フレンズかわにし2015」が26日、同県川西市のアステ川西で開かれた。同事故で夫を亡くした女性や、同列車に乗っていた被害者の男性らも歌やトークで参加してそれぞれの思いを伝え、多くのふれあいも生まれた。
音楽で被害者の人たちを支えたい
このイベントは、川西市在住のアマチュアミュージシャンらが「音楽で被害者の人たちを支えたい」「同事故を風化させない」という思いを込め始めたもので今回で10回目を迎えた。 今回はゲストとして、同事故で夫の浩志さん(当時45歳)を亡くした音楽グループ「虹色の音」理事長の原口佳代さん(55)が参加。また、大学入学間もないころに事故車両の1両目に乗っていて、発生から18時間後に救出された伊丹市役所勤務の山下亮輔さん。同じく事故車両に乗っていて、救出後にワゴン車で病院へ搬送され、手術やリハビリを体験。それがきっかけで看護師になったという松原友子さんらも参加した。
買い物客の女性「忘れたらあかん事故」
原口さんは、キーボードを演奏しながら、大好きな、さだまさしさんの曲などを披露。「今こうして1人で生きていけるのは、周りの仲間が支えてくれたからです。その感謝を込めて歌います」と話すと、ステージを見つめていた人たちから多くの拍手が贈られていた。 また、ステージ終了後も花を贈る人たちの姿が見られ「がんばろう」などと声をかけられる光景もみられた。原口さんは「ステージで歌うのに必死でちゃんと見えてなかったけど、こうして皆さんに聴いて頂けるなんて。本当にありがとうございます」などと話していた。 同イベントでは、松原さんや山下さんが「あの日から10年」と題したリレートークで事故当時の様子を話すなどし、買い物客らも足を止めその様子を聞く光景も見られた。 イベントを見ていた川西市の50代の女性は「10年もたったんやね。絶対に忘れたらあかん事故ですよね。きょうたまたま見させてもうたけど、これだけ大変なことやと改めて感じました」などと話していた。