世界平和を祈願 119回目の招魂祭 奄美市笠利町
鹿児島県奄美市笠利町の第119回招魂祭式典が16日、太陽が丘総合運動公園招魂碑前の広場であった。遺族や来賓ら約80人が参加。日清戦争から太平洋戦争までで犠牲となった596柱を慰霊し、世界の平和を祈願した。 招魂碑には軍人や軍属587柱と、女子挺身(ていしん)隊9柱のみ霊が祭られている。式は招魂碑を建立した10月16日に、毎年開催している。 黙とうの後、安田壮平市長は「私たちが今享受している平和と繁栄、そしてこの美しい奄美大島の姿を未来に受け継いでいけるのは、多くの戦没者の尊い命と、島民のたゆまぬ努力のおかげ。平和への希求がより一層高まる中、世界の恒久平和を願い、安全安心して心豊かに暮らせる地域づくりに、市民の力も借りながら努めていく」などと式辞。 続いて奥輝人議長と、笠利町遺族会の山下茂樹会長が追悼の言葉を述べた。山下会長(76)は「遺族会は、高齢化などで会員数も減少傾向だが、ご英霊の在りし日を思い起こしながら、遺族会一体となり、互いに親ぼくを深め、励まし合い、あの悲劇を2度と繰り返さないよう、平和を訴え続けていくことを改めて誓う」と力を込めた。 笠利生涯学習講座「詩吟教室」の講座生ら8人が慰霊碑に向かい、献吟した後、参列者一人一人が焼香した。