FRBが今利下げするのは間違い、最高の瞬間が台無しに-ヤルデニ氏
(ブルームバーグ): 株式と債券の強気派は15日、望んでいたものを手に入れた。米連邦準備制度理事会(FRB)が金利を引き下げるのに十分なほどインフレが低下し始める兆しだ。
両資産クラスとも、4月の米消費者物価指数(CPI)上昇が予想通りに鈍化したことを受けて上昇。小売売上高が予想を下回ったことについては、広範な景気減速を示すものではないとアナリストらは判断した。インフレが安定し、米経済は減速するものの依然として堅調という「ゴルディロックス」シナリオがまだ続いているという見方だ。
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しかし、ヤルデニ・リサーチのエド・ヤルデニ氏は、今FRBが利下げに踏み切れば、株高を加速させ、インフレとの闘いをさらに長期化させることで、現在の世界最高の瞬間が台無しになると懸念している。今利下げをするのは「間違い」だと言う。
ヤルデニ氏は15日のブルームバーグテレビジョンの番組「サーベイランス」で語った。
「私が懸念しているのは、FRBが利下げに踏み切れば、S&P500種株価指数のメルトアップを引き起こす可能性があるということだ」と株式に強気のヤルデニ氏は述べた。同氏はS&P500種の2024年の目標を5400、25年を6000、26年を6500としている。
しかし、7月か9月に利下げがあれば「5400ドルなんてすぐに突破してしまうだろうし、私の来年末の目標である6000に今年中に達することも大いにあり得る」とヤルデニ氏は語った。
(ブルームバーグ・サーベイランスはブルームバーグテレビジョン・ラジオの朝の番組です。この記事は番組の一部を紹介したものです)
原題:Yardeni Sees S&P Meltup on ‘Mistake’ Fed Rate Cuts: Surveillance(抜粋)
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Lisa Abramowicz