友達関係が変わる高学年こそ要注意!子どもをトラブルから守るために保護者ができること
否定せず子どもの気持ちに寄り添おう
「子どもがトラブルに巻き込まれているかも?」と思うと、心配のあまり、あれこれ口を出したり、根掘り葉掘り聞き出そうとしたりしてしまいがちです。しかし、それでは子どもはより一層かたくなな態度を見せ、口を閉ざしてしまうこともあるでしょう。 まず大切なことは、子どもを否定せずに寄り添ってあげること。子どもの話を、共感しながらゆっくり聞いてあげてください。自信をなくしたり、落ち込んでいたりする気持ちを受け止め、安心させてあげられるようにしましょう。 低学年のころのように「ああしたら?」「こうしたら?」と指示を出すのも控えたいものです。子ども自身がどうしたらよいかを考え、行動できるようなサポートをしていきましょう。 また、いざというときのために、保護者同士が繋がりを持っておくことも大切です。何か気になることがあった際に、状況を聞き、フォローし合える関係性があると安心するもの。係活動の機会を利用するなどして、保護者同士の繋がりも作っておきましょう。
まとめ & 実践 TIPS
近い子と友達関係を作りがちだった低学年と異なり、高学年になると、気が合ったり、属性が似通ったりしている特定の子たちと一緒にいることが多くなります。友達同士の関係性も深くなりますが、よい面もあれば、過剰な仲間意識でトラブルが起こることも往々にしてあるもの。トラブルのサインを見逃さず、適切なサポートをしていけるようにしましょう。
プロフィール 酒井 厚 東京都立大学 人文社会学部 教授 早稲田大学人間科学部、同大学人間科学研究科満期退学後、山梨大学教育人間科学部を経て、現在は東京都立大学人文社会学部教授。主著に『対人的信頼感の発達:児童期から青年期へ』(川島書店)、『ダニーディン 子どもの健康と発達に関する長期追跡研究-ニュージーランドの1000人・20年にわたる調査から-』(翻訳,明石書店)、『Interpersonal trust during childhood and adolescence』(共著,Cambridge University Press)などがある。