フリーランスとして働き始めましたが、収入が少なく自立できていません。親の扶養に入ることはできますか?
1つの会社で働いていると、身分的にそして収入の面でも安定していますが、「もっとこんなことをしたい」という仕事に対する思いが募ってくると、フリーランスという働き方に憧れますよね。 ただ、会社という後ろ盾がなくなると、なかなか売り上げを立てるのが難しく安定した収入が見込まれない場合も多いです。いまさら親の扶養に入れるのか? でも収入的に自立は難しい場合について考えてみたいと思います。
何歳であっても扶養に入ることはできる
扶養については、所得税と社会保険の2つの面から考える必要があります。 まず所得税の観点でいえば、何歳であっても、合計所得が48万円以下であって親と一緒に住んでいれば親の扶養に入ることはできます。例えばフリーランスとして独立して最初の年の年収が80万円だったとします。 そこからパソコンを購入したり、Wi-Fiに加入したり、顧客先に出向いたりしたときにそれぞれ費用がかかります。それを控除した結果の所得が40万円だったとなれば、親の扶養に入ることができます。 次に社会保険の点からみると、年収から経費を引いた所得が130万円未満であれば扶養に入ることができます。この場合は親と同一世帯である必要はありません。
扶養に入ることによるメリット
では、扶養に入るとどのようなメリットがあるでしょうか。所得税と社会保険に分けて整理しましょう。 所得税からいうと、親が確定申告のときに「扶養控除」として税制上の優遇措置が受けられるというメリットがあります。例えばAさん一家(父・母・40歳の娘)のケースで、娘が父の扶養に入れば、父は母の配偶者控除の他に娘の扶養控除を受けられ、Aさん世帯としての所得税が抑えられます。 次に社会保険上としてのメリットです。社会保険とは、主に健康保険と年金があります。Aさん一家のケースで見てみましょう。 所得が130万円未満であるフリーランスの娘は、自分で社会保険料の負担をせずに、父と同じ医療保険のサービスを受けられます。もし父が働いていたら父の勤務先の会社の健康保険の被扶養者として、父が退職していたら国民健康保険の被保険者として「父が」保険料をまとめて支払うことになります。 ただし、年金については注意が必要です。父が働いている場合「第三号被保険者」として保険料は納めなくても年金加入者としての扱いを受けることができるのは「妻」だけです。フリーランスの娘は、「免除申請」を「自分で」しなければなりません。そうしないと「年金保険料未納者」としての扱いになり、将来の老齢年金受給などに支障が出ます。