新生Vポイント、旗艦店リニューアル…新プロジェクトを次々に仕掛けるカルチュア・コンビニエンス・クラブの狙い
■ 均一化、効率化とは真逆の発想でフランチャイズ展開 ――空間づくりの他にこだわった点はありますか。 髙橋 世の中にたくさん溢れているものを低価格でご提供するよりも、「ここに来ないと買えない物や体験できない事」をどれだけ作れるかに挑戦しました。それを考えるのは大変なことですが、あえて難易度の高いチャレンジをしようとプロジェクトメンバーにも言い続けてきました。それによって、当社としての新境地を開いていけるのではないかと思ったからです。 それは、できるだけ均一化と効率化を図って展開する従来のフランチャイズの発想からは真逆です。各店舗が全て違って良い、やっているイベントが違っても良い、商品が違っても良い、という考え方です。 それぞれの地域で住人や関係人口も含めてマーケットが全て違うので、よく考えれば当たり前のことです。一部、他の店舗と共有できるものはするし、全国規模で展開するものもあると思いますが、今後は各店舗で独自コンテンツが増えていくでしょう。 ――SHIBUYA TSUTAYAでは世界中のIP(知的財産)コンテンツを集めたり、イベントを開催したりする空間も設けています。今後はこれまで手掛けてこなかった製品やコンテンツを扱う可能性もあるのでしょうか。 髙橋 われわれはエンターテインメントコンテンツを大事にしてきたので、引き続き基本は映画、音楽、書籍、ゲームなどが中心になります。 ただ、広義に捉えるとデザインの要素が入ったプロダクトは全てIPコンテンツ化していくと思うので、場合によっては車や時計などが取り扱う対象になってくることもあり得るでしょう。 コンテンツとプロダクトを掛け算することで新たなものが生まれてくるケースが生まれれば、唯一無二の価値として提供していこうと思います。
吉田 浩