JDI 販売増で上方修正も赤字続く
ジャパンディスプレイ(JDI)は2024年3月期の業績予想を上方修正し、最終損益が440億円の赤字になりそうだと発表しました。従来予想は478億円の赤字でした。為替が円安に推移していることや、上期にスマートウォッチやVRゴーグル向けの液晶ディスプレーの販売が好調だったことを受けて、38億円引き上げます。ただ収益性の改善は進んでおらず、最終赤字が続いています。 売上高は前期比9%減の2,470億円、営業損益は340億円の赤字としました。いずれも従来予想から引き上げました。従来予想は売上高は2,400億円、営業損益は404億円の赤字でした。 午後3時半から都内で会見したスコット・キャロン会長兼最高経営責任者(CEO)は今回の上方修正について「上方修正はいいことだが、1日も早く赤字から脱却することが求められている」と話しました。足元では不採算のスマートフォン向けや車載向けの一部事業の撤退を進めています。撤退による固定費の削減効果などで、収益性の改善を目指します。 JDIは、中国で有機ELパネルの工場建設を計画しています。現地に新会社を設立する予定で、現在地方政府などと協議していて、23年12月末までの最終合意を目指しています。キャロンCEOはこの計画について「進捗は順調。計画に変更はない」と話しました。 合わせて発表した23年4~9月期の最終損益は287億円の赤字でした。前年同期は116億円の赤字でした。液晶ディスプレー事業で保有する無形資産の将来性を見直し、91億円の特別損失を計上しました。