アクル、新サービス「ASUKA-3DS」提供 開発・運用の負担少なくEMV 3-Dセキュアを導入
クレジットカードの不正利用対策ソリューションを提供するアクルは10月24日、ECサイトを運営するECカード加盟店向けに、EC加盟店の負荷を抑えてEMV 3-Dセキュアを導入できる新サービス「ASUKA-3DS」の提供を開始する。ECカード加盟店のECシステム開発・運用・保守コストの低減、EMV 3-Dセキュア導入効果の最大化を支援する。 【「ASUKA-3DS」のサービス概要イメージ】 アクルは、クレジットカード決済の不正検知・認証ツール「ASUKA」を運営しており、物販ECをはじめ、旅行商材、サービス商材など3万サイト以上のECカード加盟店に導入されている。 このほど、システム開発の負担が少なく導入可能でき、EMV 3-Dセキュア本人認証サービスに加え、導入効果の最大化もサポートする新しい形のサービス「ASUKA-3DS」の提供を開始した。 EMV 3-Dセキュアは、オンラインでのクレジットカード決済においてカード利用者の本人認証を実施する国際標準の本人認証のサービスで、経済産業省が発表したクレジットカード・セキュリティガイドラインにより、2025年3月末までにECカード加盟店はEMV 3-Dセキュアを導入することが原則として義務付けられている。 「ASUKA-3DS」は、ECカード加盟店がEMV 3-Dセキュアを導入する際のECシステムの開発にかかる負荷を抑えることができる。EMV 3-Dセキュアは国際標準の規格に準じて提供されるものであり、規格がバージョンアップした場合はEC加盟店側での追加開発が必要になることがあるが、こうした変化にも「ASUKA-3DS」側が対応することで、EC加盟店側での追加開発などを最小限に止める効果も期待できる。 さらに利用するEC加盟店に対し、国内外のEMV 3-Dセキュアの運用事例などの情報提供、カード発行会社(イシュアー)によるリスクベース認証の最適化のサポートも行う。これにより決済時のEMV 3-Dセキュアにおけるフリクションレスフローの比率を増加し、ECサイトにおける顧客利便性の最大化に貢献する。 「ASUKA-3DS」を導入するECカード加盟店は、追加のシステム開発なく、不正検知・認証サービス「ASUKA」の契約・利用が可能という特徴も備える。「ASUKA-3DS」と「ASUKA」の不正検知(属性・行動分析)を併用して、不正取引を決済前に検知・防止することで、カード発行会社のリスクを軽減し、承認率を向上できる。また、「ASUKA」による不正検知(属性・行動分析、クレジットマスター対策)などを併用EMV 3-Dセキュア導することで、入・運用ガイダンスに即した体制構築の実現にも貢献する。 2023年における国内発行クレジットカードの番号盗用被害は504億円となり、毎年増加傾向にある。こうした実態を受けて、2024年3月に経済産業省が発表したクレジットカード・セキュリティガイドラインでは、2025年3月末を期日としてEMV 3-Dセキュアの導入を原則義務化することが規定されており、EC業界のセキュリティ水準の向上が期待されている。 一方で、ECカード加盟店においてEMV 3-Dセキュアを導入するには、ECシステムの開発が必要であることや、EMV 3-Dセキュアの導入におけるシステム仕様の改訂による追加開発が求められることなどが課題となっているとし、ECカード加盟店のシステム開発負荷や、導入後の運用・保守のコストを最小化し、EC業界におけるセキュリティ水準の向上に貢献するため「ASUKA-3DS」の提供に至ったとしている。 さらに「ASUKA-3DS」のサービス提供開始と同時に、決済サービスを展開するDGフィナンシャルテクノロジーと提携し、DGフィナンシャルテクノロジーの決済サービスを利用するECカード加盟店への提供も推進する。 今後も連携事業者を拡大し、EC業界におけるセキュリティ水準の向上を推進し、EC業界の成長を支援していく考えを示した。
「日本ネット経済新聞」 編集部 速報チーム