早稲田塾は総合型選抜・学校推薦型選抜の対策を得意とし、情報量と経験値で合格へ導く
東進ハイスクールの講座も受講できる
同じナガセグループである大手予備校・東進ハイスクールの講座もすべて受けることができ、基礎学力を高めることができる。 一般選抜対策にもなるが、総合型・学校推薦型選抜でも基礎学力は必要である。共通テストや学力テストを課すところもあるし、小論文や提出書類を書くにも基礎学力は必要であろう。 「通期講座」では1年の内容を3ヶ月で学習することができる。「高速マスター基礎力養成講座」はAIがその生徒に必要な学習内容を絞り込み、効率よくオンラインで学べる。
総合型・学校推薦型選抜対策の指導を得意とするベテラン講師が多く在籍
社員講師の多くはベテランで、長く総合型・学校推薦型選抜対策の指導をしており、経験値やスキルが高い。新人講師はまず先輩講師の授業のアシスタントとして参加し、そこで指導の仕方を学んでいく。また、総合型・学校推薦型選抜で大学に進学した大学生の担任助手が、「ファシリテーター(中立的な立場から発言をまとめ、より良い結論や立案を導く役割を担う人)」として授業に参加をする。 「総合型・学校推薦型選抜の指導は、ティーチングではなく対話がメインです。そのため、大学生講師たちには『教えすぎない』ようにすることを研修で伝えています」(早稲田塾 中川敏和執行役員) 探究学習で「こういうふうにすればうまくいく」と講師はわかっていても、それを伝えてしまうと、生徒は思考停止に陥ってしまう。本人が「どうすればいいか」を発見し、探究学習を進めていかないと、面接で質問された時に「大人に教えてもらった通りにやってきただけ」が露呈してしまうことも多々ある。そのため、生徒から発想や考えを引き出すように対話をしていく。
発想し、思考を深めるためのプリントやテキストを用意
一般選抜対策のように、知識を覚えたり、問題を解いたりといった内容では基本ないので、テキストはあくまでも生徒が発想したり、思考を深めたりするための手掛かりである。 授業ごとに配られるプリントが中心だが、たとえばある授業では「探究活動1」のプリントが配られ、生徒が現在の探究活動について考えることを導く5つ質問が書かれ、それを手掛かりに自分の探究活動を書き出すワークを行っていく。 「論文系講座」の一つである「慶應義塾小論文」のテキストには「競争」「政治的会話」などといったテーマの文章が載っており、生徒はそれを読んで、問われたことに対して記述で解答していく。この作業を終えてから授業を受けることになる。また、過去問も掲載されているので、それを解くことで問題傾向を知ることもできる。 ほかにも総合型選抜に向けて、やるべきことを生徒が管理するための冊子「WASEDAJUKUBOOK」も配られる。これに目を通すだけでも総合型選抜対策の流れが理解でき、使いやすいスケジュール管理ツールにもなっている。
早稲田塾に向いている生徒と向いていない生徒
一般選抜対策の授業では、講師が「これを覚えましょう」「これはこう解きましょう」とティーチングをしていく。ある意味、受け身の授業を受ける。 しかし、総合型・学校推薦型選抜の授業では、本人の積極性が必要になる。塾が行うのはティーチングではなくメンタリング。あくまでも講師は、生徒がどう探究学習を進めていくかを導く立場だ。 そのため、生徒が受験を「自分事」として捉え、自ら進んで勉強する意欲がないと選抜はクリアできない。早稲田塾は積極性があり、自主性がある生徒に向いている。そういった自主性がまだ持てていない生徒には合わない場合もあるだろう。
杉浦由美子