「発言内容に一貫性がないと感じることも」「私たちの声聞いて」「経済対策は大丈夫なのかな」 物価高騰対策、子育て支援策… 埼玉県民が石破内閣に期待することとは
古い自民から脱却し、政治不信を払拭できるか。石破新内閣が1日、スタートを切った。物価高騰対策や子育て支援策など、政治への期待と不安が入り交じる。埼玉県民からは「声が届く首相であってほしい」などの声が上がった。 石破茂氏“人が足りぬ時代”を語る 都会に出て行った子ども、どう戻るか「地域を好きでないと戻らない」
熊谷市の介護士小川美穂子さん(66)は「私の子どもや孫の世代に、日本を手渡す一歩となる政治をしてほしい」と希望した。小川さんは日常生活に介助が必要な障害者のパートナーと暮らしており、「福祉と教育に力を入れてもらえれば」と重点政策を挙げる。石破新首相は、地方への思いが強い政治家として知られている。小川さんは「声が届く首相であってほしい。私たちの声で、政治は変わると信じている」と期待した。 小5、小3、3歳の3人の子を育てる上尾市の保健師荻野真理子さん(39)は、子育て支援策の充実を求める。「少子化対策と子どもの居場所づくりに力を入れてもらいたい。学童保育の充実など、子どもを社会全体で育てるんだというメッセージが欲しい。キャリア志向の女性が産まないから少子化だという風潮はおかしい。女性が子どもも仕事も欲しがるのはわがままではないはず」。保健師としては性教育の拡充も必要と感じている。「知ることは子どもの権利なので、真剣に考えてもらいたい」
東松山市の寝具・インテリア店経営内山明夫さん(74)は「商店主としては経済対策をしっかりやってもらいたい」と注文を付けた。円安で石油や輸入品が高騰し、仕入れ商品の価格、運送費、加工費などの値上がりが続く。小売り価格に転嫁できず、厳しい状況が続いているという。石破首相は総裁選で「国を守る」「地方を守る」と主張した。「それが防衛費や増税につながるのは困る。キャッシュレス化の推進は小売店には負担。個人消費を促すような対策をしてほしい」と訴えた。 さいたま市桜区の男性会社員(53)は「石破さんは外交とかは安心感あるけど経済対策は大丈夫なのかな」と眉をひそめた。「経済対策に関しては高市(早苗)さんの方が支持できた」とし「石破さんは発言内容に一貫性がないと感じることもある。中小企業に勤務していて給料はわずかに上がったが、物価高でこれ以上食品や日用品が値上がりしたらとても生活できない。早く暮らしを楽にしてほしい」と話した。
さいたま市桜区の埼玉大学工学部1年生で行田市の二ノ宮大飛さん(19)は18歳で選挙権を持つようになり、「この1票が何かにつながってほしい」と重みを感じている。少子高齢化社会の中、若者だけ、高齢者だけと施策が年代に偏ってしまいがちだと指摘し「少数の人が喜ぶ施策も大切だが、いろんな年代・属性でも平等に暮らしやすい世の中になってほしい」と期待した。