“DV・性暴力”被害者の約6割が「どこにも相談していない」と回答…内閣府 男女共同参画局が設置する“専門相談窓口”を紹介
杉浦太陽と村上佳菜子がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」(毎週日曜 7:30~7:55)。「学びと成長」をコンセプトに、毎回さまざまなゲスト講師をお招きして、明日の暮らしがもっと豊かになる情報や気になるトピックをひも解いて、今よりもちょっと成長することを目指す番組です。 11月17日(日)の放送テーマは、「あなたは悪くない。DVや性暴力の悩み聞かせてください」。内閣府 男女共同参画局 男女間暴力対策課長の田中宏和さんから、“DV・性暴力”に関する現状や専門の相談窓口について伺いました。
◆肉体的な暴行だけが“暴力”ではない
日本では暴力を容認しない社会をつくるため、11月12日~25日の2週間を「女性に対する暴力をなくす運動」期間として、いろいろな啓発活動を集中的に実施します。今回は、DVや性暴力についての現状を学びましょう。 DV(ドメスティック・バイオレンス)とは、配偶者や交際相手に対して暴力を振るう行為を指す言葉です。内閣府が昨年おこなった調査によると、約25%の人が「配偶者から暴力を受けたことがある」と答えています。 暴力と聞くと「殴られる」「物を投げつけられる」といった被害を想定しますが、身体的な暴行だけとは限りません。「何かにつけて大声で怒鳴ったり、相手の人格を否定したりするようなことを言って心を傷つけることも暴力です。また、友人との付き合いを制限したり、電話・メールを細かくチェックしたりする“精神的な嫌がらせ”も含まれます」と田中さん。 ほかにも、生活費を渡さない、給料・貯金を勝手に使うといった“経済的な圧迫”や、相手の同意なく性的な行為をする、避妊に協力しないといった“性的な強要”も暴力に該当します。相手の嫌がることをする・させる行為は“暴力”です。そうしたことが繰り返されることにより、“支配する・支配される”という関係になってしまうと言われています。 なお、2024年4月には配偶者暴力防止法(DV防止法)が改正され、身体への暴力だけでなく、言葉で精神的に追い詰められた場合などにも接近禁止命令を出すよう、裁判所に求めることができるようになりました。「言うことを聞くというまで外に出さない」「従わなければ仕事を辞めさせる」といった言葉による心理的攻撃に対しても、接近禁止命令が出される可能性があります。 「手をあげられた」「叩かれた」などの行為がなければ、“被害は軽い”という先入観を持つ人もいますが、心理的な攻撃によって、うつ病やPTSDを患ってしまう深刻な被害を受けることも少なくありません。