有害物質と別物強調 虫歯予防のフッ化物応用 第一人者講師に21人が研修 鴨川(千葉県)
子どもたちの虫歯予防のため、給食後にフッ化物で口をゆすぐ取り組みをしている鴨川市は、フッ化物応用の第一人者、東京歯科大学の眞木吉信名誉教授を講師に、市ふれあいセンターで研修会を開いた。市内の小中学校の養護教諭、認定こども園の職員、歯科医師、市学校教育課の職員ら21人が、フッ化物の安全性や有効性などを学んだ。(伊丹賢) 虫歯予防のフッ化物は、歯磨きや洗口剤、歯科医院での歯面塗布などに利用されている。鴨川市では永久歯の虫歯予防に向け、4歳~中学生の希望者を対象にフッ化物で口をゆすぐ取り組みをしており、良好な結果が得られているという。 研修会は、有機フッ素化合物のPFAS(ピーファス)という有害化学物質が、健康を害するというニュースがあることを受け、歯科医療で使用されるフッ化物との違いなどについて、関係者間で情報共有を図ろうと開かれた。 眞木氏は、「フッ化物応用の安全性」と題して講演。ピーファスについて「有機フッ素化合物の略名で、人工的に合成されたもので自然界には存在せず、歯科医療では使用しない」と説明。 虫歯予防に用いられ、フッ化物と称される無機フッ素化合物は、「歯のエナメル質を強化するとともに、虫歯からの酸産生を抑える効果がある。お茶や海産物に含まれる」と説明し、ピーファスとは異なる物質であることを強調した。 また、自然界の物質である塩を例に、「塩も取り過ぎると、高血圧症などの原因となる。虫歯予防に使用するフッ化物も適正な量を守って使用することが大切」とも語った。 参加者は、「砂糖の摂取を控え、親が毎日フッ素入り歯磨き粉で仕上げ磨きをして歯垢を除去することで、虫歯を予防できる」ことも改めて認識した。 同市では、今後もフッ化物洗口と、関係職員の情報共有を継続していくとしている。