関東大震災級再来で神奈川の死者2万人 県が被害想定見直し、25年春公表 防災戦略で半減目指す
神奈川県が10年ぶりに行う地震被害想定の見直しで、最大震度7が見込まれる関東大震災級の巨大地震(大正型関東地震)が再来すると、県内で約2万人が死亡する可能性が示されたことが分かった。住宅耐震化の進展などを考慮したため、2015年の前回想定(約3万人)より1万人ほど減少するが、規模は東日本大震災と同程度で、阪神大震災の3倍に相当する。県は来春、新たな被害想定を公表し、併せて策定する10年間の地震防災戦略で死者の半減を目指す。 関東大震災級の揺れや津波による新たな被害想定で判明した死者数は2万951人(暫定値)。内訳は揺れに伴う建物被害などが1万1835人と最も多く、津波は8213人、火災が903人となった。今後、最終的な確認作業で数値が変更される可能性もあるという。 想定に用いた地震は前回と同じだが、住宅の耐震化や建物の不燃化、津波避難施設の確保などが進んだため、犠牲者数は3分の2に減少することが分かった。全壊棟数は35万7830棟(暫定値)と試算され、前回より2割減の見込みとなった。
神奈川新聞社