「恥をかかせるんじゃねえ」「どれだけ仕事が遅いんだ」「A級戦犯」と校長が叱責…大声で日常的に さいたま市の中学校のパワハラ、損害賠償判決が確定 今は校長教頭でない双方、期限までに控訴せず
2022年に埼玉県のさいたま市立大宮東中学校で当時の校長の男性(60)のパワーハラスメントにより休職せざるを得なくなったとして、元教頭の男性(52)が同市に損害賠償を求めた訴訟で、原告と被告の双方が期限までに控訴をしなかったことが15日、さいたま地裁への取材で分かった。パワハラの事実を認定し、市に約480万円の支払いを命じた同地裁の判決が確定する。 10月30日の判決によると、元校長は男性を頻繁に呼び出し、大声で叱責(しっせき)。「恥をかかせるんじゃねえ」「どれだけ仕事が遅いんだ」「A級戦犯」などと発言した。判決は、元校長が男性に対し「教頭としての責任を執拗(しつよう)に追及したり、罵倒や侮辱、人格を否定したりするなど、明らかに必要性のない不適切な言動を日常的に繰り返した」と認定。さいたま市については「教育委員会の調査でパワハラを認めるに足りる事情が収集されていた」としてパワハラの認定や配置転換、懲戒処分を行わなかったと指摘した。
男性は23年7月、慰謝料など約920万円の損害賠償を求めて提訴していた。