大谷翔平「コミッショナー判断」でペナルティーの可能性も 水原一平通訳ドジャース解雇
今回のケースは「コミッショナー判断」によるペナルティーになる
テレビ東京解説委員・山川龍雄)仮にこの先、大谷さんが水原さんの借金を支えたとして、「違法性を認識していたか、知らずにただ借金を支えた形なのかどうか」が問われるのではないかと思います。仮に、事前に水原さんの行為の違法性を認識していた場合、大谷選手にはどのぐらいの処分が下る可能性がありますか? 木曽)まだ野球に賭けたかどうかに関してはまったく情報がないので、現行においてはわかりません。ただ、違法賭博であることは事実なので、3つ目のルールに抵触する形になり、「コミッショナー判断」になると思います。ここに関しては明確な処分内容が定められていないので、かなり幅があると考えた方がいいでしょう。
水原氏の証言が二転三転するのもルール21を意識してのことか
飯田)水原氏の証言は二転三転していますが、それもルール21を意識しているからでしょうか? 木曽)最初に出た報道では、水原氏自身は大谷選手に明確に「肩代わりしてもらった」と言われていました。しかも、大谷選手自身がPCを操作して、自分の口座から違法賭博業者のアカウントに送金したとコメントしています。メディアのインタビューに答えている記録が残っています。ところが、今度は大谷選手のオフィシャルの弁護士サイドから声明が出て、「これは通訳による大規模窃盗事件だ」と発表され、証言が覆るわけです。その後、今度は水原氏も「実は大谷自身は何も知らない」と自分自身の以前のコメントを翻すような発表をし始め、二転三転している状況です。これらは基本的に、MLBのルールそのものに大谷選手が抵触しないよう、守るための変遷なのだと思います。 飯田)そうなると捜査当局は、「言っていることが変わっているではないか」とつっこみますよね? 木曽)そもそもこの問題が発覚したのは、ロサンゼルスの違法賭博についてFBIの捜査があり、その捜査線上で、大谷選手の銀行口座から業者に向けて振り込みが行われていたという事実が判明したところからスタートしています。警察側の視点で見ると当然、「大谷選手が何かしらの関与をしているのではないか」と考えると思います。
大谷選手を守るための球団弁護士サイドの「通訳による大規模窃盗事件」という発表と、水原氏の「大谷選手は何も知らない」発言
木曽)それに対して、周りの人たちが「俺がやったのだ」と、水原氏がまずインタビューに答えた。その後、弁護士サイドが「通訳の窃盗だ」と答えたというような形です。要は大谷さんに疑惑が向かないよう、積極的に周りが「自分がやった」もしくは「窃盗事件だ」など、情報発信をし始めたのではないでしょうか。 飯田)「窃盗」と言っておかないと大谷選手の操作が疑われてしまい、「関与がある」と思われかねないから、ああいう動きになった可能性がある。 木曽)そうですね。真実はまだわかりませんが。