大谷翔平「コミッショナー判断」でペナルティーの可能性も 水原一平通訳ドジャース解雇
スポーツ賭博に関する禁止事項が記されるMLBの「ルール21」
飯田)野球賭博に関しては、MLBではかつてピート・ローズ氏が野球賭博で永久追放されました。場合によっては永久追放なども想起されますが、規定のなかで禁止されているのですよね? 木曽)日本のプロ野球にも「野球協約」のなかに「賭博に関与してはいけない」というルールがあります。同様に、MLBのなかにも「ルール21」と呼ばれる規約があり、ルールの対象は選手、審判、クラブチームやリーグ職員とされています。水原通訳も職員なので、そのなかに含まれます。
ルール21のなかで3つあるペナルティー
木曽)対象者に対し、1つ目に「野球に関する賭博そのものに関与してはいけない」というルールがあります。2つ目に、なかでも自分のチームへの賭博に関しては、さらに厳しい処分を適用するような規定があり、そこに抵触すると永久追放の可能性まであります。 飯田)永久追放まで。 木曽)3つ目が、野球に関わらず、もしくは自チームの試合に関わらず、スポーツ全般に対する違法な賭博……違法なものに限るのですが、「違法賭博に関与した場合、コミッショナー権限によって、判断次第では何かしらの制裁措置がある」という3つのルールがあります。今回に関しては、いずれかに抵触した可能性があるのでしょう。
違法賭博の場合、その先で八百長問題につながることが多いので強い制裁措置を行っている
飯田)合法・違法で分けているのは、違法賭博の場合、よりダークだという認識なのですか? 木曽)それもありますし、違法賭博の場合、その先で八百長問題につながることが多いのです。そのため、違法に関してはより強い制裁措置を行っています。 飯田)賭博に近付くだけでも、ゲーム全体に対する信頼にまで関わるからですか? 木曽)おっしゃる通りです。賭博の業界では「信用失墜行為」と呼ばれますが、八百長問題は個人の話になってしまうので「やったか、やっていないか」を判別するのがとても難しいのです。そこに関わって疑惑を持たれること自体が、リーグもしくはチームのプレーそのものの信用を失墜させてしまう行為ですので、そこに対してペナルティーを与える。それはスポーツ全般で採用されているルールです。